「野良猫写真展が話題ですが、野良猫時代ひどかったけど保護して幸せになりました写真展、だれか一緒にやりませんか」
そうつぶやき、自身のもとで保護した猫たちのビフォーアフター写真をTwitterに投稿した、スペイクリニック北九州(@Spaykitaq)さん。たちまち1万8千以上のいいねがついたそのツイートには、「ぜひ参加させてください」という賛同の声と共に、多くの元保護猫たちのビフォーアフター写真が殺到しました。
そこに写っていたのは、保護当初、猫風邪や大怪我でボロボロだったりガリガリだったり、中には瀕死状態だった猫たちが、飼い主さんやボランティアさんの元で大切にされ、ふっくら&きゅるるんとした可愛い猫ちゃんに変化した、幸せな姿でした。
「野良猫」を美談にしないで
「保護して幸せになりました写真展」の開催を呼びかけたスペイクリニック北九州さんは、北九州にある野良猫の避妊去勢手術専門病院。野良猫たちの避妊去勢手術を行い、保護した子猫を里親さんに譲渡しています。
「猫」は本来、外で生きる野生動物ではありません。20歳以上生きる家猫が増える中、野良猫の平均寿命はわずか2~3年。リプ欄に投稿された猫たちのビフォー写真からもわかるように、彼らを取り巻く状況は想像以上に過酷で悲惨です。
野良猫たちの存在を美談にするのではなく、1匹でも保護して幸せにしたい。そんな人々の努力と愛の結晶である「保護して幸せになりました写真展」の企画について、スペイクリニック北九州さんにお話を聞きました。
実際に手を差し伸べた方がこんなにも
ーーすでにリプ欄が「保護して幸せになりました写真展」状態でしたね。
「驚いたのは、保護団体さんからの投稿以上に、個人の方からの投稿がたくさんあったことでした。それぞれがご自身で、かわいそうな子を見て助けたいと思い、実際に手を差し伸べてくださった……。そういう方がこんなにもたくさんいることにとても嬉しくなりました」
ーー投稿された写真の3匹はクリニックで保護された猫たちですか?
「はい、当院で保護した猫たちです。白っぽい子は餌やりさんから、”汚い”と罵られ、蹴り飛ばされてろくに食べられなかったため、ガリガリに痩せ細り、常によだれが出ている状態でした。
キジシロの子は、疥癬という皮膚病のせいでボロボロで、眼もほとんど見えず、口も開けられない状況で保護されました。疥癬は効果的な治療薬が安価で買え、治療薬を首に垂らすだけで劇的に改善します。でも何もしなければエサも食べられず、保護が1か月遅れていたら餓死していたと思います。
茶トラの子は当初、状態がかなり悪く、骨と皮だけだったため、餌やりさんに保護をお願いしたのですが受け入れてもらえず、当院で保護しました」