猫を愛するなら「TNR」を
ーー野良猫や捨て猫など、外で暮らす猫の現実は悲惨なのですね……。
「それでも今回リプ欄に投稿された多くの猫たちは、個人の方に救いの手を差し伸べてもらえたラッキーな子たちなんです。本当はその数十倍、数百倍の猫たちが、誰の目にも触れずに亡くなっています。
家の中でペットとして飼われる猫と、家の外で悲惨な亡くなり方をする猫がいます。私たちは家の中に猫がいることを望みます。しかし現実は、外で暮らす猫の数が多過ぎて、全ての猫を家の中に入れてあげられません。そこで生まれたのが『TNR』という方法です。今はまだ避妊・去勢手術後は元に戻すしかありませんが、TNRを終えた猫は繁殖しません。野良猫の全体数が次第に減ることを目指す、というやり方です」
※TNRとは:繁殖力が強い猫の過剰な増加を防ぎ、殺処分を減らす活動。Trap(捕獲)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に返す(Return)の略語。
写真集発行に向けて動いてます
ーー今回の企画について、「冊子を作って販売しようと思います。売上は団体さん山分け。うちはいらない」「完成したら印刷する前に購入者を募りますので、その時は改めてよろしくお願いします。号泣できて暖かい気持ちになれる冊子だよー!」とツイートされていましたね。
「デザイナーさんも決まり、現在、冊子の発行に向けて動いています。今回のツイートや猫たちの写真を見て、もし外で暮らす猫がかわいそうだと思われたら、ぜひTNR活動に興味を持ってください。猫の捕獲はさほど難しくなく、当院のように捕獲器を貸し出している施設もあると思います」
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猫の避妊・去勢手術には批判的な声もあります。しかし、年に2回発情期を迎える猫は繁殖力が非常に強く、あっという間に野良猫の数が増えます。糞尿被害などで地域から疎まれ、交通事故に遭い、心ない人間から虐待される。そんな彼らを待ち受けているのは、手術よりも残酷な殺処分です。
猫を愛するからこそ、避妊・去勢手術を行い、過酷な暮らしを強いられる野良猫は一代までにとどめる。保護やTNRを目的としない無責任なエサやりも厳禁です。
すでに写真集として動き始めているという、「保護して幸せになった」猫たちのビフォーアフター写真。リプ欄には多くの共感と絶賛の声が寄せられました。
「野良猫のままでは結局ダメなんだと思います」
「ひどい状態だけ見ると助けるのを躊躇する人もいるかもしれないけど、保護した後の幸せなお顔見ると、助けて幸せにしたいと思う人が出てきそうだな。素敵な写真展」
「こっちなんですよ!こっち!素晴らしい企画だと思います。両手を挙げて賛成」
写真集を企画したスペイクリニック北九州さんでは、犬・猫の里親さんを常時募集中です。詳しくはクリニックのHPで確認を。