まるで包帯のようなルックスの海洋生物がSNS上で大きな注目を集めている。
「たぶん一般正解率は1%、界隈の正解率は99%くらいなやつ」と件の生物を紹介したのは海洋生物ファンのでんかさん(@K_theHermit)。
真っ白な糸状の繊維が縦横に織りなすこの生物。何度見ても指に巻く包帯のようにしか見えないのだが、でんかさんが言うように一部の層にはよく知られた存在らしい。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「すげぇ!本物だ!!!素手で触っても大丈夫なんですか!?」
「カイロウドウケツはあつ森にも出てくるようで、知名度あがってるようです。恐るべしあつ森。ヤドカリが『ヤドカリ』一種なのは残念です。」
「小3の息子が分かってびっくりしました すぐに深海生物の図鑑持って来ました(笑)」
「カイロウドウケツなんて初めて知りました。骨格が炭酸カルシウムではなく二酸化ケイ素(=ガラス)で出来ているんですね。昔、一般向け科学雑誌で宇宙にはケイ素系骨格(炭素と同じく足が4つあるから)を持つ生物がいるかもしれないと絵入りで書いてあったけど、地球にいたとは。」
など数々の驚きの声が寄せられている。
投稿者に聞いた
でんかさんに話を聞いた。
ーーこの生物は海洋生物ファンの間ではメジャーなのでしょうか?
でんか:カイロウドウケツは深海生物の中ではメジャーなほうだと思います。ドウケツエビというエビが幼生の頃に中に入って夫婦そろって終生暮らすという生態が有名だからです。その生態から結婚式の縁起物にもされる風習があります。任天堂の人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」に登場したことで一般にも広く知られることになりました。なので今回、生物界隈とあつ森界隈両方が知っていると思い、界隈がなにかは濁してツイートした次第です。
ーー貝殻の問屋でお求めになったとのことですが、容易に購入できるものなのでしょうか?
でんか:自分が購入した際には在庫が20個あり、公開から一週間後にはさらに追加で50個掲載されていたので入手経路がありそこそこ流通されているのではないかと思います。ちなみに1個1380円(税込)+送料でした。カイロウドウケツはカイメンと呼ばれる動物です。カイメン研究者が執筆された本『カイメン すてきなスカスカ』(岩波書店)には「那覇の土産物屋で投げ売りにされていた」との記述があったので、ある所にはあるのだと思います。
ーー投稿の反響について。
でんか:思ったよりも多くの方が知っていて驚きました。「あつ森で見た!」「私は知らなかったけど子供があつ森をやってるから知ってた」という声が多かったので、やはり「あつまれ どうぶつの森」の効果は凄まじいなと思いました。先日ちょうど同じく「あつまれ どうぶつの森」に登場する生物、パイプウニをツイートをした所、やはりゲームで見たことあるとの反応が多かったです。想定外だったのは神社界隈から「祀られてるのをみたことがある」と反応をもらったことです。
◇ ◇
読者のみなさんはこの生物がカイロウドウケツであることをご存じだったろうか?
なお、普段趣味で海の生物採集や撮影、グッズ作りを手がけているでんかさんは7月1日から同月2日にかけては名古屋のいきものグッズ販売イベント「いきものづくし」に出展予定。ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。
でんかさん関連情報
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「いきものづくし」:https://ikimonodukushi.wixsite.com/home