山で聞こえる「おーい」の声は人じゃない、すぐ逃げろ…は本当?ツキノワグマの飼育担当者に聞いた

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

山にいる時、「おーい、おーい」という男性の呼ぶ声が聞こたら、それはツキノワグマの声だから急いで逃げろ!という都市伝説がある。

実際、YouTubeなどにも、登山や渓流釣りの際に撮影された、年配の男性が「おーい」と助けを求めているような声が収録された動画が投稿されている。

果たして、男性が「おーい」と呼びかけているように聞こえる声の主は「ツキノワグマ」なのか?

この真偽について、岐阜県高山市にある100頭以上のツキノワグマを飼育する「奥飛騨クマ牧場」の飼育担当者の方に聞いた。

「おーい」とは鳴かない

「奥飛騨クマ牧場」の飼育担当者の方によると、「ツキノワグマは通常、『おーい』とは鳴かない」と言う。

「言葉では表現しづらい音なのですが、『ウォン』『ウォーン』と低く鳴くことはあります。聞き慣れない方にはそれが、『おーい』と聞こえるのかもしれません」(「奥飛騨クマ牧場」飼育担当者)

都市伝説では、「おーい、という声が聞こえたらすぐに逃げろ」と言われているが、この「おーい」と聞こえる時のツキノワグマの声は、とくに「威嚇」の声ではないそうだ。

「威嚇的ではなく、歌を歌っているようなニュアンスでしょうか。または、親子グマが互いを呼び合っているのかもしれません」(「奥飛騨クマ牧場」飼育担当者)

静かに、かつ速やかに退避を!

いずれにせよ、山の中で聞き慣れない声が聞こえたら、そこは動物たちのテリトリー内であるということ。

入山者が増える春から初夏は、母グマが子育てを行う時期であり、子育て期の母グマはとくに警戒心が強く、少しの刺激にも敏感だという。

もしクマと思われるような声が聞こえた時は、無闇に音や声を出してクマを驚かせたり怖がらせたりするのではなく、静かに、かつ速やかにテリトリーの外に退避することが望ましいそうだ。

◼︎「奥飛騨クマ牧場」

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