人事担当者に聞いた「採用の課題」 「求めている人材が来ない」「辞退率が高い」…深刻な人材不足が浮き彫りに

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

東海ビジネスサービス株式会社(東京都中央区)は、全国の人事責任者および人事担当者1009人(人事責任者205人/人事担当者804人)を対象に、「人事担当から見た採用の課題」に関する調査を実施しました。その結果、人事責任者の約7割が「求めている人材が来ない」と回答しました。また、約6割の人が「採用活動において、SNSを活用している」と回答したそうです。

調査は、2023年3月にインターネットで実施されました。

まず、人事責任者(205人)に対して、「現在、採用活動において課題と感じていること」について複数回答可で答えてもらったところ、「求めている人材が来ない」(71.2%)が最多となりました。以下、「応募が来ない」(41.0%)、「辞退率が高い」(31.7%)と続き、深刻な人材不足が浮き彫りとなりました。

一方で、「課題はない」(3.4%)と答えた人からは、「毎年希望通りに雇用出来ている」(40代男性)、「円滑に採用活動をおこなっており不具合など確認されていない」(40代男性)、「応募者がいつも多い」(50代男性)といった声が寄せられています。

さらに、「現在、最も力を入れている採用」について聞いたところ、「中途採用」(54.2%)、「新卒採用」(40.5%)が多数を占め、即戦力を採用したい企業が多いことが分かりました。そのほか、少数ではあるものの「紹介採用」(4.9%)という回答もみられました。

また、「採用活動の際に利用して成果が上がったもの」を複数回答可で答えてもらったところ、「中途向け就活エージェント」(38.1%)、「ハローワーク」(29.8%)、「新卒向け就活エージェント」(27.3%)といった回答が上位に挙げられました。

なお、今後取り組みたい採用活動について回答者からは、「SNSの活用」(40代男性)、「ヘッドハンティング」(50代男性)、「副業を認める」(50代男性)、「スキルマッチング」(50代男性)といった意見が寄せられました。

最近では、SNSを活用する企業も増えています。そこで、全回答者に対して、「採用活動において、SNSを活用していますか」と聞いたところ、59.6%の人が「活用している」と回答し、SNS採用が浸透していることが読み取れました。

また、「SNSを活用している」と回答した601人に対して、「現在使用しているSNS」を複数回答可で教えてもらったところ、「Twitter」(61.1%)、「Instagram」(49.1%)、「Facebook」(42.8%)、「LINE」(41.1%)、「YouTube」(33.6%)などが挙げられました。

一方、「以前、活用していた」(9.6%)、「活用したことはない」(30.8%)と回答した408人に「活用していない理由」を聞いたところ、「効果がないと思っている」(27.0%)、「活用方法が分からない」(21.3%)、「手間がかかる」(18.9%)といった回答が上位に並びました。

多くの企業が就活エージェントやSNSなどを活用し、良い人材の採用に尽力していることが分かりましたが、人材不足による企業と求職者のマッチングの難しさも浮き彫りになりました。

そこで、全回答者に対して、「ATS(採用に関する業務をまとめて管理するシステム)の導入」について調査をしたところ、「導入している」と答えた人は51.2%、「導入していない」と答えた人は48.8%とほぼ半々の結果となりました。

また、「ATSを導入している」と答えた517人にその理由を教えてもらったところ、「時間的コストの削減」(49.9%)、「金銭的コストの削減」(28.2%)、「人的コストの削減」(21.7%)といった回答が挙げられ、採用にかかる時間的コストを削減するためにATSを採用する企業が多いことがうかがえました。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は、「多くの企業で人材不足が課題になっていますが、ミスマッチで途中離脱が起こればコストを無駄にすることになりかねません。いかに採用のミスマッチを減らすかが人事担当者の直面する大きな課題と言えそうです」と述べています。

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