女性トイレ内の動画広告…これなら喜んで! 生理ナプキン無料に感動「リスク負って実現した人、偉い」「そんな仕組みだったのか」

宮前 晶子 宮前 晶子

「有楽町マルイのトイレに入ったら見慣れぬ機械。 OiTrというアプリダウンロードしてスマホをかざすと生理用品が出てくる。便座に座ったら画面に広告が流れてその広告収益で生理用品は無料という仕組み! すごい全国のトイレに設置して欲しい!! 」


外出先で「今日に限ってナプキンの持ち合わせがない!」とトイレの中で焦ってしまった経験、ありませんか?「トイレットペーパーのように、個室内にナプキンが置いてあればいいのに」という声もありますが、ついに一部で実現し、広まっているのです。

個室内でナプキンを無料で提供するサービス、その名もOiTr(オイテル)。生理ナプキンのディスペンサーが設置してある個室トイレで、OiTrアプリ(無料)をダウンロードし、手順に従うとディスペンサーの取り出し口から生理用ナプキン1枚が出てくるという仕組み。ディスペンサーに備えられたデジタルサイネージに映し出される動画広告の配信を収益としています。

冒頭のつぶやきを投稿したゆっこるんさん(@yukko_s17)は、外出先のトイレでOiTrに出会い、感動。「素晴らしい取り組み、ぜひたくさんの人に知って欲しい、応援したい」と発信したゆっこるんさん(@yukko_s17)と、運営するオイテル株式会社(@OiTr_japan)に取材しました。

「素晴らしい!みんなに知らせなくては」

ゆっこるんさんが、OiTrの存在を知ったのは、まさにトイレ内。それまでそんなサービスがあることを全く知りませんでしたが、「生理用品をうっかり忘れてしまった時に役に立ちそう!と最初思いました。その後、運営する会社のサイトを見て、社会で女性の生理を支える仕組みを広げたいという思いに触れ、より多くの人に知ってもらいたいサービスだと強く感じました」。

投稿には約1.3万のいいねがつき、拡散し、多くの声が寄せられました。
「これで助けられました。有難いです」
「トイレで“どなたか生理用ナプキン持ってませんか?”と声をかけてた頃が懐かしいです」「見たことあります! そんな仕組みだったのか!」
「地元にも設置してあってこれはもう地域の誇りです笑 出先で女の子の日になっちゃった時は、なかなか一個売りのナプキンが見つからないので助かります」
「リスクしょって実現した人、偉い」
「こういうことに惜しげもなく税金投入を」

「個室じゃなくて手洗い場に設置してくれないかな。個室でこもられたら大行列」とのリプライには、「この機械が設置してあるドアにはOiTrのマークが付いていました。認知が進めば使い分け?もできるのかもしれません!」とSNS上で設置場所について解説していたゆっこるんさん。

印象に残ったリプライについて尋ねると、「大学に設置されていて助かってる!という声を見て素敵だなと思いました。大学生の中には一人暮らしをしていて自分で生理用品を買うという人も多いですし、そうした人たちを支えられる仕組みになるのはいいなと思います」。

今後、サービスの形を変えて、スマホを使わなくても配布できる仕組みができ、高校や中学校・小学校でもナプキンを提供できるようになれば、と期待を寄せています。「そのためにも現在無料配布を支えている広告収入がさらに増える必要がありますし、もっと多くの企業も参加してより一層社会全体で女性の生理を支える仕組みができるといいのになぁと思います」。

生理へのストレスを少しでも減らしたい

OiTrのサービスを運営するオイテル株式会社は、ゆっこるんさんのツイートに反響があったことを把握しており、「OiTrが必要とされ、皆さんのお役に立てることは素直に嬉しいです」と担当者。

金銭的な理由や、家族の無理解などから生理用品の入手が困難な状態にある「生理の貧困」が社会的問題となるなかで、「生理(月経)のある人が強いられるさまざまな負担を幾分まかなえないか」という思いから開始された取り組み。同社の調べによると、個室内でナプキンを無料で提供するビジネスモデルは日本初、おそらく世界でも初。

2021年8月末から運営を開始し、現在、商業施設のららぽーとやイオンモール(※ともに設置していない施設もあります)、デパートなどの商業施設、市役所・図書館などの公共施設、大学、オフィスなどに計179施設、台数2500台を設置。その結果アプリも68万以上もダウンロードされています(2023年5月末時点)。

北海道から沖縄まで全国各地に及んでいますが、安心して外出できる社会となるために、今後も設置の拡大をめざしています。

現在は、2時間で1枚、25日間で7枚まで無料提供できる仕組みに。この枚数制限は、正常な生理周期が25日〜38日とされていることから、そのなかでも一番短い周期に合わせる形を取っています。

現在アプリのアップデートや工夫を加えつつ、枚数制限以上に急に生理ナプキンが必要になる方や配布する仕組みなども検討。さらにスマホを使わずともあらゆる環境でサービスを受けられるように、次期バージョンを開発中とのことです。

◇ ◇

外出先で生理になってしまった場合、付近にコンビニやドラッグストアへ買いに行けばいいでは、という意見もあるかもしれません。しかし、男性と同行の場合は購入をためらいます。また、生理ナプキンの持ち合わせがない場合、購入するまで出血を気にしながら行動しなくてはなりません。清潔な状態とは言い難く、そのストレスたるや、想像するだけでもゾッとします。突然生理が来ても焦ることなく快適に過ごせる、“トイレにOiTr”があたりまえの世の中になって欲しいですね。

■ゆ っ こるん Twitter  @yukko_s17
■オイテル株式会社 Twitter @OiTr_japan
■オイテル株式会社HP https://www.oitr.jp

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