人の線虫がん検査「N-NOSE」を提供している「株式会社HIROTSUバイオサイエンス」(本社・東京都千代田区、代表取締役・広津崇亮氏)が、この5月から愛犬用の線虫がん検査「N-NOSE わんちゃん」のサービスを開始した。犬の尿を少量採取、提出するだけでがんリスクの早期発見が期待でき、「飼い犬のがん検査が手軽に受けられる」と愛犬家の間で注目を集めている。
線虫とは体長約1ミリの生物で、嗅覚に非常に優れており、尿に含まれるがん特有の匂いを検知。健康な人の尿からは遠ざかるが、がんの人の尿には近づくという。
同社は線虫のこの習性を利用し、2020年、人のがんリスクを簡便、安価、高精度、全身網羅的に調べられる線虫がん検査「N-NOSE」を世界で初めて実用化した。肺がん、大腸がん、胃がんなど15種類のがんのリスク(ステージ0を含む)を判定できる画期的な検査で、これまでに累計40万人以上が受検し、1400社以上の法人が導入している(2023年4月現在)。
このたび実用化された愛犬用線虫がん検査の「N-NOSE わんちゃん」について、同社はこう話す。
「犬の死因の1位はがんといわれています。犬は自分で痛みなどの不調を訴えることができず、飼い主さんが異変に気づいたころには病状がかなり進行していたというケースも少なくありません。そこで、こうした現状をなんとかしたいと、人用の技術を応用して実用化するに至りました。犬によく見つかるリンパ腫、乳腺がん、皮膚がんなど、様々ながん種に線虫の反応が確認できています」
人間と同様、犬の場合もがんが早期に発見されれば治療の選択肢が増えることが期待される。同社のウェブサイトから検査キットを購入し、採尿シートかカップで犬の尿を採取。提出すると4〜6週間後に結果がわかる。費用は16800円(定期検査、税込)から。動物病院でがんを調べてもらうと高額な費用が必要だが、これなら病院に連れていく手間もかからず比較的安価で済む。がんリスクは5段階で評価し、万が一、リスク高と判定された場合には、獣医師によるオンライン相談などのサービスも無料で受けられるという。
同社は今年1月から、人の膵臓(すいぞう)がん検査「N-NOSE plus すい臓」を開始。膵臓は沈黙の臓器といわれ、膵臓がんの早期発見は難しいとされているだけに、こちらも画期的な検査として注目を集めている。「飼い主さんと愛犬のペア検査も実施している」(同社)とのことなので、気になる方はチェックしてみては。
■同社ホームページ https://lp.n-nose.com/dog/