ティッシュペーパーはなぜ2枚重ね? 王子ネピア「間に空気が含まれて頑丈さと柔らかさを両立させています」 水分吸収が3倍の商品も

織田 繭 織田 繭

日常生活に欠かせない日用品となっているティッシュペーパー。各部屋に必ずひとつは置いておくということもしばしば。また、花粉症の季節や風邪が流行する時期にはなくてはならないものともなっている。なかには箱ごと持ち歩くというほど身近な人もいるのでは。そんなティッシュペーパーは薄い紙が2枚で1組になっていることは多くの人がご存じだろう。だが、その理由については意外と知られていないのではないだろうか。そんなふとした疑問を、鼻セレブシリーズでもおなじみの王子ネピア株式会社マーケティング本部商品企画部に聞いた。

柔らかさが命のティッシュペーパーの製造の秘訣

王子ネピアはティッシュペーパーをはじめとして、トイレットペーパー、おむつ、マスクなどの紙を使った衛生用品を製造販売している会社。あの渋沢栄一が立ちあげた王子製紙の100周年事業の一環として1971年にトイレットペーパーの販売を開始。翌年にはティッシュペーパーの販売も開始した。

「柔らかさだけじゃなくてある程度の強度も必要なので、硬さのバランスを調整する必要があるんですね。そのために、パルプや薬液の配合などを細かく調整して作っているんです」

パルプには2種類あり、繊維の長い針葉樹パルプと、繊維の短い広葉樹パルプがある。それらの配合が肌ざわりにも影響しているのだとか。バランスを保つためにもその配合を試行錯誤しているのだという。

ティッシュペーパーが2枚1組なワケとは?

そんなティッシュペーパーが2枚1組である理由も柔らかさと強度にかかわりがあるようだ。

「バランスをとるほかに肌ざわりが良くなります。薄い紙を2枚あわせることで、間に空気が含まれて頑丈さと柔らかさを両立することができるんですね。1枚のみだと肌ざわりが悪くごわごわしたものになってしまうんです」

イメージとしてはペーパータオルやナプキンのようなものだろうか。それらで手や口周りなどを拭くと硬いと感じる人も少なくないのではないだろうか。こうした理由により、ティッシュペーパーは2枚1組が一般的となったのだという。

さらに、紙の表面にはクレープという目に見えないミクロサイズのしわがあり、それによっても肌ざわりや吸水力が変わるという。直接肌に触れるものだからこその柔らかさを追求してさまざまな工夫を行っているのだとか。

利便性を求めて進化するティッシュペーパー

王子ネピアの代表的な商品のひとつである鼻セレブには、保湿成分を含んだものがあり、しっとり柔らかに感じられるものがある。また、3枚1組のティッシュペーパーも作られており、より柔らかさを感じて使用することもできるという。

「こうした工夫をこらすのは、特に花粉症や風邪が増えるシーズンでは利便性を高め、使用者に癒しを与えるような商品を展開していきたいという思いからなんです。使いやすかったり、パッケージがかわいかったりするとちょっとは苦痛を和らげるんじゃないかと思いまして」

“鼻をかむ”というつらい行為に癒しを与えようと動物や人気キャラクターにもしているのだとか。

さらに、さまざまな用途へ対応するために、数々の商品を生み出している。ポケットティッシュでは物足りずボックスティッシュを持ち歩くという人に向けた、鞄の中でも型崩れしない「鼻セレブITUMO」。従来の鼻セレブの柔らかさを持ちつつもエンボス加工によって水分吸収が普通のティッシュペーパーの3倍ある「鼻セレブ洗顔専用ティッシュ」といったものも。「時代の流行やさまざまなライフスタイルにあわせてティッシュペーパーも進化をしていかないといけないと思います」と語った。

さまざなな工夫によって、より柔らかさと高い利便性を追求されてきたティッシュペーパー。自分自身が使いやすいティッシュペーパーを探してみては。

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