アディダスが女性用水着のモデルに“男性”起用で波紋 元競泳選手は「女性を排除している」と批判、米国では不買の動きも

小森 有喜 小森 有喜

アディダスが女性用水着のモデルに、生物学的な性別が男性と思われる人物を起用したことで波紋が広がっている。同社が「偏見のない表現の自由を促す」とする一方、米国の元競泳選手の女性が「女性を排除している」とツイートするなど否定的な声が広がり、米ツイッターでは一時「Boycott Adidas(アディダスをボイコット)」がトレンド入りした。

「女性用」カテゴリーの商品なのに…

6月は、LGBTQ+の権利を啓発する活動が世界中で行われる「プライド月間」。これを前にアディダスは5月15日、クィアのデザイナー、リッチ・ムニシ氏とのコラボシリーズ「Let Love Be Your Legacy」を発表した。同社は「スポーツや文化のあらゆる分野で(中略)偏見のない表現の自由を促進する」などとしている。

物議を醸しているワンピース水着は、このシリーズの一つ。着用写真はadidas USなどの通販サイトに掲載されている。商品は「Women's Sportswear(女性用スポーツ着)」にカテゴライズされているものの、写真では生物学的に男性と思われるモデルがポーズを取っている。胸元からはみ出た胸毛をアップした動画もある。モデルの性自認などは明らかではない。

元競泳選手の女性が非難、「ナンセンス」との指摘も

トランスジェンダーの女子種目への参加に反対する米国の元競泳選手ライリー・ゲインズ氏は18日、ツイッターを更新。「なぜ企業が自発的にこのようなことをするのか理解できない。せめてこの水着を“ユニセックス”と言うこともできたはずだが、しなかった。なぜなら女性を排除するためだ」と批判した。

これに賛同する声が多く寄せられ「女性にとって重要なのは水着が自分の体にどれぐらいフィットするかを見ることなのでは?ナンセンス」「まさにその通り、正直ばかげている」「こうしたことが顧客の大部分を遠ざけている」といった意見があった。さらに共和党議員や保守系インフルエンサーらを中心に批判が拡大。アディダス商品の不買を呼びかける人も現れ、一時「Boycott Adidas(アディダスをボイコット)」がツイッターでトレンド入りした。

この件は日本のツイッターでも話題になり「どんな人がモデルになろうがいいと思うけど、買う側にとって重要なのは着用イメージ、サイズ感」「女性用水着を男性(トランスジェンダー)が着ても何も参考にならない」といった声があった。

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