「GOっ!GOっっ!!!」東京駅激混みで新幹線に乗り遅れそう!→駅員さんのやさしい応援に救われた

金井 かおる 金井 かおる

 今年のゴールデンウィーク(GW)後半初日だった5月3日。東京駅の混雑は相当だったようで、SNSには「東京駅、ほんとに激混みでびびった」「改札前で15分は並んでる」「新幹線乗り遅れた人いるみたい」「東京駅激混みで行きたい飲食店に入れなかった」などの投稿が相次ぎ、ツイッターのトレンドワードに「東京駅激混み」がランクインしました。人混みにうんざりし、イライラを募らせる人もいた中、東海道・山陽新幹線の改札では、駅員さんと乗客の女性とのちょっとほっこりする交流がありました。

発車時刻が迫っても改札前は大行列

 「東京駅激混み」の真っ只中にいた乗客の女性に話を聞きました。

 3日早朝、女性は新大阪へ行くために東京駅を訪れました。在来線から新幹線への乗り換え改札口に向かうとかなりの人混み。

 「最後尾というプラカードを持った駅員さんがいましたが、切符購入の列かと思い、通り過ぎました。自動改札機に近づくと大行列になっており、そこで初めて改札に入るための行列なのだと分かり、慌てて最後尾に並びました」

 刻々と発車時刻が迫り、焦る女性。東海道新幹線の運行情報を知らせる公式ツイッターアカウントでは、「お客さま混雑の影響により、遅れが発生」と発信していました。

 「10分くらい並んでいたと思います。とにかく指定席の時間に間に合わないのではないかと不安でした。駅員さんが他の改札もあることをお知らせしてくれていましたが、場所が分からず、迷ってさらに間に合わなくなる可能性が怖くて、移動する勇気が出なかったため、そのまま順番が来るのを待ちました」

改札に切符を入れると…思わぬアクシデント

 やっと自動改札機を通る順番がきたのですが、ここで思わぬアクシデントが発生します。

 「私が新幹線に不慣れなため、切符の入れ方が悪かったのか、機械から切符が出てきませんでした。駅員さんが『今から操作し直しますね』と言ってくれたのですが、『51分に乗るんです。新大阪で対応してもらってもいいですか?』と尋ねると、駅員さんは『51分!?』と発車時刻が迫っていることに驚き、改札から急いで切符を取り出し、大急ぎでスタンプのようなものを押して『走って!!GOっ!GOっっ!!!』と応援してくれました」

 もちろん、構内を全速力で走れという指示ではなく、「よい旅を!」と背中を押してくれるようなやさしいニュアンスだったため、女性は焦る気持ちが和らぎ、ホームまで冷静に移動することができたといいます。無事に新幹線にも乗車でき、あらためて駅員さんへお礼を伝えたいと思ったそうです。

 「私も接客業が長いため、自分が働いている中での連休の人の多さとクレームの多さには辟易とすることもあります。駅員さんならなおさらのことと思いますが、臨機応変な対応力と、トラブルに嫌な顔ひとつせずに、むしろ応援してくださり、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです」

 女性は今回の出来事をきっかけに、混雑するシーズンに交通機関を利用する場合は、いつもよりも時間に余裕を持って行動しないといけないと勉強になったといいます。

 「改札に行列が出来ることを事前に知っておくこと。連休など人が多い時期は、10分前程度では間に合わないことを把握しておくこと。複数の改札の場所を把握しておき、瞬時に移動できるように事前準備しておくこと。それから、ネットユーザーの方からは、指定席で乗車するときは、自由席の乗客がほぼ乗ってこない品川駅から乗る方法もあると教えていただきました」

     ◇

 JR東海の発表によると、4月28日から5月7日のGW10日間の東海道新幹線の利用者数は356万7千人。下りのピークは5月3日の27万人。まさに前出の女性が利用した日でした。この数字は、コロナ前の2018年度のピーク日23万6千人(下り5月3日)を上回っており、当日の利用者がいかに多かったかうかがえます。

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