株式会社ヒューマネージ(東京都千代田区)は、このほど「2023年卒 就職活動に関するアンケート」の結果を発表しました。同調査によると、就職活動における「エントリーした社数」は、10年前の就職活動生(2013年卒)と比較するとほぼ半減していることが分かりました。
調査は、同社が提供する採用管理システム『i-web』」利用企業の内定者を対象として、2022年5月~11月(2013年卒:2012年6月~10月)の期間にインターネットで実施され、有効回答数は8447人(2013年卒:4505人)でした。
まず、就職活動において「エントリーした社数」「選考に参加した社数」「内定を獲得した社数」を聞いたところ、エントリー社数は平均「26.7社」(2013年卒:52.1社)、選考参加社数は平均「14.7社」(同23.1社)、内定獲得社数は平均「2.5社」(同2.0社)となり、10年前の就職活動生(2013年卒)に比べ、エントリー社数は半減していました。
その一方で、内定獲得社数は微増しており、応募者優位のいわゆる“売り手市場”の傾向が見て取れます。
また、「就職活動のスタート時期」についても明確な差がみられます。
10年前(2013年卒)は、企業の採用広報が始まってから就職活動を始めた学生が56.3%と、6割近く占めた一方で、2023年卒では85.4%と、約9割が企業の採用広報が始まる2カ月以上前から就職活動を始めており、現在では、企業の採用広報活動の開始日=就職活動が本格的に始まる日ではないことがうかがえました。
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調査を実施した同社は、「現在の学生にとっては、夏・秋に数社のインターンシップに参加することが就職活動のキックオフ。本格的な採用活動が始まる前に志望業界を絞り込み、その業界の選考にのみ参加する“狙い撃ち”の就活が一般的となっています」と説明。
その一方で、「“狙い撃ち”の就職活動ゆえ、入社後のギャップがあった際、より不安や迷いが生じやすいという懸念もあります。新しい仲間として、一人ひとりの入社者に対し、成長をサポートする指導や声掛けを丁寧におこない、入社後の定着、そして活躍のための取り組みが求められるといえそうです」と考察しています。