「井戸」は絶対に埋めるな…工事関係者から「ヤバい」「怖い」体験談が殺到 なぜ「井戸の息抜き」をしないといけないのか?

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

やはり「何か」があるのかもしれない

ーー「井戸の息抜き」の手順について、「お塩とお酒でお清めの儀を行い、手を合わせてから作業する」「塩、酒、梅を入れて拝んでから埋め戻してた。梅=埋めて良しからきてる」というリプライも寄せられていましたね。

「地域によって違いますが、正式にはまず、神社さんに来て頂き、地鎮祭のように棚を用意し、果物、野菜、清酒、米などを供えてお祓いをしてもらい、可能であれば井戸の中の掃除をした後、息抜きの工事を行います。その後、砂利や砂などを入れて埋め戻します。

果物や野菜、清酒、米を用意する理由は、どれも水がなければ作れない物なので、神様へのお礼として捧げると言われています。ただ、全ての現場で行えるわけではないので、塩と清酒を撒いて、『長い間お世話になりました』と言って手を合わせて終わらせることもあります。お祓いの際は、その土地を使う持ち主と、実際に工事を行う人の両方が立ち合えるのが理想です」

ーー「井戸埋め清祓」の相場は…?

「約3~10万円くらいとかなり幅があります。神主さんによって結構変わってしまいますが、10万は高い方になりますね」

ーー今回のツイートには、漫画『解体屋ゲン』の作者、星野茂樹先生や、同様の経験をした方々からの声もたくさん寄せられました。

「星野茂樹さんのように、建設業に関する漫画を描いている方も井戸にまつわる話をご存知だったり、業界関係者ではない方からも、『うちも井戸の息抜きをした』というリプライをもらい、嬉しかったです。こんなにも多くの方が井戸にまつわる体験をしていて、自宅の解体や樹木の伐採、トイレの解体、庭石の撤去の際もきちんとお祓いをする方も、まだまだたくさんいらっしゃると知り、安心しました」

「お祓い」を省くと、ご近所トラブルになることも

ーーリプ欄に寄せられた、「井戸の息抜き」や「井戸」に関する多くの証言や不可思議な現象について、はすみんさんはどう考えていますか?

「昔の人が、危険な場所にお地蔵さんを置いて建物を建てられないようにしたように、井戸の上に家を建てると家が傾くという実害もあるので、危険を回避するために作られた言い伝えなのだと思います。

ただ、ツイートもしましたが、埋める作業をした人ではなく、埋める指示をした現場監督が足を滑らせ、転んで腕の骨を折った場面を僕自身も目の当たりにしているので、本当に神様がいるのではないか、とは思っています。自分を設備屋として育ててくれた師匠からも、『過去に井戸を潰した者が何人かいたが、全員怪我をしたり、離婚をしている』と聞いていたので、やはり何かあるのかもしれないですね」

ーー「現場でベテラン勢から口頭で言い伝えられてきた慣習が失われつつある」というリプライも寄せられていましたが、井戸の埋め戻しを考えている家主や工事関係者に伝えたいことはありますか?

「僕は28歳で独立開業したのですが、業界では若手と言われる身です。僕のような若い職人の中にも、昔ながらの風習を大事にする人間もいます。たかが迷信と思わず、少しの時間をかけるだけでその後の大きな災難がなくなるかもしれないと考えて、ぜひきちんと『井戸の息抜き』やお祓いを行って欲しいです。お祓いをしていない、というだけでご近所トラブルにまで発展することもあるので、家主の方には、安心を買うと考えてもらえるといいかもしれませんね」

◇ ◇

「井戸」の埋め戻しや「息抜き」の際に行う清祓だけでなく、魂抜き、地鎮祭、棟上げ式など、解体や建築の際には多くの神事があります。設備業を営む、はすみんさん自身の経験や、今回のリプ欄に寄せられた「井戸」にまつわる多くの不可思議な体験談を踏まえても、建物にまつわるお清めやお祓いには、科学では証明できない何かがあるのかもしれません。

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