下駄と裸足の二刀流 異色ランナーは48歳会社員 大阪マラソンは下駄で余裕でサブ4 足の皮はめくれ血豆も「死ぬまで走り続ける」

山脇 未菜美 山脇 未菜美

高さ14センチほどの「一本歯」と呼ばれる下駄を履き、マラソンを走る男性がいる。今年2月の大阪マラソンでは、42.195キロを3時間28分55秒で完走。足をテーピングでぐるぐる巻きにし、カツッカツッという音を響かせながら駆ける。漫画に登場しそうな姿に、周りのランナーも振り返るほど。裸足で走る日もあるといい、男性は「足の皮はめくれるし、血豆になるし…。でも、死ぬまで走りたいですね」と語る。

速くなるため裸足に転向

東京都在住の会社員・蓑島隆伸さん(48)。ダイエット目的で、2011年にマラソンを始めた。最初はもちろん、ランニングシューズ。だが、3年後に転機が訪れた。

当時、メキシコ民族を舞台にした「BORN TO RUN」という本が流行っており、脚に負担の少ない「裸足ランニング」に脚光が当てられていた。興味を持った蓑島さんは、裸足で走るイベントに参加。「痛かったです(笑)ただ、周りの人が涼しい顔で速く走っていて、何なんだ、あの人たちは…と驚いて、自分もやりたいってなった感じです」。芝生やアスファルトで練習し、14年12月に台湾のマラソンに裸足で初挑戦。ガラスの破片や大きな石を避けたつもりだが、「走り終わった後は血豆だらけでしたが、地面を感じられるのが気持ちよかった」と振り返る。。

転びそうなスタートは「安全第一」

下駄で走るようになったのは16年。知り合いが一本歯の下駄を履いているのを見て、「トレーニングによさそう」と思った。調べると、下駄でフルマラソンを完走した人もいるとか。やりたい! 直感で練習を始めた。走るこつは、地面を蹴らないように、太ももから足を上下にあげること。「鼻緒が擦れて皮がめくれたり、転んだりするのは、熟練していないから。あと、大事なのは安全第一ですね。こけたら終わる」と笑う。いつしか、裸足と下駄の二刀流になった。

今年の大阪マラソンでは、「げた」というゼッケンを付けて参加した。一番転びそうになるというスタートを慎重に乗り越え、20km地点まで1キロ4分30~45秒のペースで乗り切った。下駄特有の音に振り返る人も多く「下駄や」「下駄がんばれ」などの声援がうれしかったという。

そういえば、速くなるために始めた裸足・下駄マラソンだったけれど…?「うーん。効果は分からないですね。まあ、楽しくてやっているのでいいです(笑)」

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース