「あなたが醤油差しを舐めないのはなぜか」 スシローペロペロについての考察が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

回転寿司チェーン「スシロー」で少年が醤油差しや寿司に舐める模様をおさめた動画がSNS上で拡散された「スシローペロペロ騒動」

発覚から約2カ月が経った今もSNS上では、あの出来事でついての考察が一定の盛り上がりを見せている。

たとえば「一月ほど前、母親に『自分は寿司屋の醤油差しを舐めないように教えた記憶が特にないが、あなたが醤油差しを舐めないのはなぜか』という趣旨の質問をされて、なぜだろうと考えている」と投稿したのはzgkzwさん(@zgkzw)。

「醤油差しを舐める高校生も悪いことをしている意識はあるはずで、公共との距離感の問題のような気がしている」と考察するzgkzwさん。たしかに「飲食店で醤油差しを舐める」などということは誰が考えても愚かなことなのだが、それを気軽に撮影して大勢で動画を共有できてしまうという社会環境が、若者たちの判断を狂わせているのかもしれない。

zgkzwさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「そもそも醤油差しを舐めでもしないと認められないと思ってるようなしょうもない承認欲求を満たす事をしなくても、他者から愛情を持って接され認められている育ち方をしているからではないでしょうか?」
「『醤油差しを舐めるな』という直接的な指導はなかったものの、親御さんから『他人に迷惑をかけるな』という、もっと汎用性の高い倫理教育があったおかげで、そのような行為に至ってはいないのではないでしょうか。逆に、他人に迷惑さえかけなければ、変な所を舐めている可能性もあるのですが」
「その場の雰囲気のウケ 、ノリにまかせての短絡的な発想ゆえの事故ですねあれは。若かりし時、それを諌めてくれる存在がそばに居てくれたり、その発想を踏みとどまる教えが本人の中に無ければああいったとっ拍子もない迷惑行為になるのかと思います」

などさまざまな意見が寄せられている。

投稿者に聞いた

zgkzwさんに話を聞いた。

ーーzgkzwさんとお母さまの年代をお聞かせください。

zgkzw:私が20代前半、母が60代前半です。

ーーお母さまの質問に対してどう思われましたか?

zgkzw:不意を突かれ考え込みました。私なりの答えとして、私が飲食店でいたずらをしないのは、成長の過程で培われた公共意識によるものではないかと考えます。おそらく私の中には、自分が社会の一員であり、社会と互恵的な関係にあるという感覚が存在します。社会の仕組みや決まりが私の生活を守ってくれているという信頼感があるから、私が社会のルールやマナーを守って生活する…例えば醤油差しをきれいに使うという動機が生じているのだと思います。

ーーその感覚が少年にはなかった、と。

zgkzw:飲食店で迷惑行為に及んだ少年は、コロナ禍で学校生活に多くの制限をかけられた世代であろうと思います。社会の要請に応じて青春の貴重な時期を犠牲にしたにもかかわらず、特に見返りも得られず、大人たちから「我慢してくれてありがとう」と感謝されることもほとんどなかったと想像します。

これは憶測ですが、彼らにとって社会の規範は、自分たちの生活や権利を守ってくれるものではなく、自分たちの自由を侵害し、抑圧するものと見えているのではないかと思います。その場合、上述したような公共意識は培われにくいのかもしれません。

ーー「スシローペロペロ」に限らず、昨今は飲食店で同様の騒動が頻発していますね。

zgkzw:事件に関わった少年が高校を自主退学したという情報を知り、やりすぎだと思いました。大人たちが高校生を過剰に攻撃することで、彼らの世代の社会への信頼感がさらに低下するのではないかと懸念しています。

◇ ◇

みなさんは今、スシローペロペロ騒ぎについてどのような意見を持っているだろうか。なぜ若者があのような行動に至るのか。「悪いことは悪い」と批判するだけでなく、真剣にその動機や原因を考察することが真の問題解決につながるのではないだろうか。

zgkzwさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/zgkzw

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