回転すしチェーン「スシロー」で高校生とされる客が醤油ボトルをなめるなどした迷惑行為を巡り、ネット上である議論が加熱している。日常生活のリスクをカバーできる「個人賠償責任保険」に加入している場合、補償が適用されるのかどうかだ。子どもが自転車事故で人をけがさせたり、不意に物を壊してしまったりした時などに備えて入る家庭も多く、子どもにおすすめの保険。三井住友海上の担当者は「故意の過失ですので適用にはなりません」とする。
被害を受けたのは、岐阜県のスシロー岐阜正木店。来店した客がレーンを流れる醬油さしや湯呑みをなめるほか、レーンを流れるすしに唾液を指で塗りたくる様子を撮影した動画がSNSで拡散された。スシローは3日、店舗運営方法の一時変更を発表。レーンの上を流れて提供するのは、どのテーブルが注文したものか明確になっているものだけにし、テーブルの食器や調味料は客が席についた時に、希望すれば交換するという。
ポイントは「故意」なのかどうか
三井住友海上によると、個人賠償責任は自動車保険、火災保険、傷害保険などと一緒に契約する場合が多い。セットの場合は月々数百円で加入でき、この保険に入っていると、子どもや同居の家族が補償の対象になる。補償されるのは、第三者の体を傷付けたり、物を壊したりして損害賠償責任を負った場合で、故意ではないことがポイント。例えば、自転車に乗った子どもが曲がり角で人にぶつかってけがを負わせたり、不意に学校で他の子のめがねを踏んでしまったりした場合は補償対象。いたずらで他人のものを壊すことなどは適用外になるという。
今回のスシローの件は「故意に行っているため補償対象外です」と強調。醤油ボトルが使えなくなったという点などでは器物損壊に当たる恐れはあるが、故意にやっていると判断される可能性が高いという。