子どもの視点と大人のそれは違うといいますが、見慣れたロゴマークも全然別物に見えているのかもしれません。例えば、レクサスのエンブレムを凝視していると、しまむらの「し」に見えてしまうとか。稲作農家の井上敬二朗さんは娘さんとの会話以降、JAのロゴマークが腹筋する人にしか見えない呪いにかかってしまいました。
「【悲報】娘が、このマーク見て人が腹筋してるポーズなの?と聞いて来たんですが…もはや腹筋にしか見えなくなった」と、アカウント、パフじろう|井上敬二朗稲作本店 創業者(@TintsF)でつぶやくと、4万以上のいいねが付きました。
JAグループのロゴは、逆V字と斜線、円を組み合わせた安定感のあるデザインですが、凝視していると、逆V字がひざ、斜線は腕、円が頭部に見えてきます。まさに腹筋している姿勢または起き上がれない人です。井上さんに聞きました。
ー娘さんから「腹筋しているの」と尋ねられて
「娘(小6)と妻と僕の3人で車でJAに行き、ATMで入金する妻を待つ間、向かいの建物のロゴを見た娘が『ねえねえ、あのマークってさ、人が腹筋してるように見えるんだけど』と言い出しました。娘はイラストやアートが好きなので、先入観なく、造形を見て言ったんだと思います」
ー稲作を営む父としては、じくじたる思いでしょうか?
「『えっ、ほんまや!すごい!!(笑)コレは腹筋にしか見えんな!』『全然、気にしたことなかったけど』と僕が言うと、娘は爆笑していました。通学路にも農協があるのですが、これまでロゴの意味は知らず、『JとAの形のマークなんよ」と言うと『えっ、そう言うこと?』と笑ってました。投稿が拡散し、皆さんも腹筋姿勢に見えていることを教えるとさらに爆笑していました」
ーお子さんたちは井上さんのコメ作りをどんな風に理解しているのでしょうか
「妻の父が6年前に倒れて農作業が難しくなり、後継ぎとして就農したのですが、娘が小学校低学年の頃に急に僕たち(親)がお米農家になり、ずっと奮闘している姿は見てはいると思います。『なんか必死でやっている』と感じているはずです。ただ農協が何の組織なのかを理解しているかは不明です」
JAグループの代表機関である「全国農業協同組合中央会」(JA全中)によると、大きな三角形は自然・大地をイメージし、小さな三角形は支えあっている人間を表しています。左端の円は農業の豊かさや実り、協同の精神に基づく人の和を象徴したもので、緑の色彩は自然環境と成長を示しています。かなり以前は「協」の字を踏まえたロゴでしたが、1992年から現行ロゴになりました。
栃木県那須町で稲作を営む井上さんは、コメ専門のブランド「稲作本店」を掲げ、無農薬米など付加価値の高いコメを消費者に直接販売したり、純米甘酒やお菓子、米粉を商品化しています。
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