暖かくなり外での活動が増える春は、実は怪我をしやすい季節でもあります。とくに冬は家で過ごしがちの高齢者は、春になって活動量が増えたときに足が追いつかなくなり転倒してしまうことも。場合によっては怪我が原因で介護が必要になるケースもあります。共働きのU子さんの姑も、散歩中に階段で足を踏み外して怪我をし、介護が必要な状態になってしまいました。忙しくて介護の手が足りない中、「姑の友人」が助けてくれたのですが、徐々に問題が出てきてしまいます。
二世帯住宅で同居する姑が怪我で介護が必要に
U子さん(長野県在住、40代、看護師)は、姑(70代、無職)と2世帯住宅で同居をしています。舅は2年前に他界しましたが姑は元気で、U子さん家族と生活は別々でした。しかし、姑は春先に出先で階段から足を踏み外し頸椎骨折。緊急手術は成功しましたが、手足に痺れが残ってしまい、細かな家事などが困難で介護が必要になってしまったのです。
U子さんはできる限り姑の介護をしようと思うのですが、フルタイムで日によっては夜勤もあるためなかなかできない状態です。夫も早朝から深夜まで仕事で忙しく、親族は遠方で頻繁には頼れません。
介護の手伝いをしてくれる姑の友人
痺れはあるものの動けないわけではないので、姑も自分でできることはしていました。とは言え、やはり生活は不便ですし、足の痺れから転びそうになったことが何度もあります。U子さん家族もできる限りのことはしていましたが、姑も日中1人の生活に限界を感じたのでしょう。良く遊びに来ている姑の友人(70代、無職)に頼るようになりました。
友人は近所に住んでおり、10年以上の長い付き合いです。U子さん家族の共働き事情も知っており、買い出しや洗い物、ご飯の準備などを積極的にしてくれるようになりました。U子さんが恐縮すると「遠慮しないでいいのよ。私も役に立てて嬉しいから」と言ってくれます。U子さんは「なんていい人なんだろう」と思い、ときどきお礼に菓子折りなどを渡して感謝の気持ちを伝えていました。
姑の友人が子世帯住居に無断で立ち入るように…
姑の友人が来てくれるようになって1カ月が経ったころ、U子さんは自宅の異変に気づきました。キッチンが使われた形跡があり、冷蔵庫の食材も減っていたのです。U子さん宅は玄関別の完全分離型2世帯住宅ですが、1階にお互いの家を行き来できるドアがあります。U子さんが姑に話を聞いたところ、友人が料理する際に使ったとのこと。姑の居住エリアはミニキッチンなので、使い勝手の良いU子さんのキッチンを使ったと言われました。
1度きりなら仕方がないと思ったU子さんですが、その後何度も自分のキッチンを友人が利用。また、リビングから勝手に新聞を持っていったり、掃除機を使われたりと、徐々に友人の行動はエスカレートしていきました。
姑の友人にやめてほしいことを伝えたい
友人が姑の介護を手伝ってくれ、話し相手になってくれることに、U子さんは心から感謝しています。だからといって、自分の生活エリアに許可もなく入っても良いとは思えません。
「掃除も行き届いていないので、私がいないときは入らないでほしい」と伝えてみましたが「気にしないから大丈夫」と意図が伝わりませんでした。鍵をつけようかと思いましたが、「なにかあったときに鍵がかかっていて行き来できなかったら困る」と夫は反対しています。この場合、友人にはどのように伝えるのが正解なのでしょうか。
▽42歳・会社員
なんて非常識な人。絶対に嫌です。はっきり嫌と伝えたほうがいいと思います。ただ、実際に色々と助けてもらっているといいにくいんでしょうかね。
▽38歳・主婦
使ってもいいけど、「今日使うね」とか一言いってほしいですよね。それくらいのルールを作ったほうがいいんじゃないでしょうか。
▽38歳・会社員
介護を助けてもらっているならやむなしだと思います。でもその場合入っていい場所をキッチンのみと約束してもらうとか、それ以外の寝室などプライベート空間には鍵をつけるとか、こちらができる範囲で対応するべき。
▽46歳・パート
遠くの親戚より近くの友人ともいうし、姑との関係は勝手に断ち切れないし、でもプライベート空間に侵入されるのは嫌なので、早めにきっぱり言うしかない。