春は仕事や学校で変化が多い季節。親への報告が増える時期かもしれません。姑にはいろいろと気を遣うため、接点が多いと大変なこともあるでしょうが、実は実母のほうが面倒なケースも少なくないようです。
実の娘だからこそ遠慮がないのでしょう。実母からあれこれとうるさく口出ししたり、小言を聞かされたりすることは少なくありません。そこで、実母との関係に悩んでいるエピソードをいくつか紹介します。
里帰り出産で口出しがうるさい…
第一子を出産したYさん(東京都在住、30代、育休中)は、妊娠9カ月から栃木県にある実家に里帰りしていました。実家の近くの産婦人科で出産し、産後2カ月間は実家にいる予定でした。夫は出張が多く不在気味で、初めての育児を1人でするのが不安だったからです。
無事出産して赤ちゃんと一緒に実家に戻ると、実母と二人三脚の育児が始まりました。実母の助けはとてもありがたかったのですが、細かな口出しが多くYさんはストレスを溜めていきます。たとえば赤ちゃんの沐浴では「もっと丁寧に洗ってあげて」「耳をしっかり閉じて」など毎回口うるさく注意され、赤ちゃんがなかなか眠れないと「抱っこの仕方が悪いのでは?」と横でずっと見張られてしまうのです。
実母が家事炊事を全てしてくれ、夜中の授乳を交代してくれることは本当に助かりました。しかし、あまりの口うるささに、Yさんは里帰りの期間を短縮し、産後1カ月で赤ちゃんと一緒に自宅に戻ってしまったのです。
ご近所付き合いの注意が細かい…
Mさん(神奈川県在住、30代、パート)は実家の近くにマイホームを購入しました。夫の実家は遠方で頼れないので、実家の近くに住んで育児などを助けてもらおうと思ったのです。しかし、いざ近くに住み始めると、Mさんは実母の口うるささに辟易してしまいます。実母は手を貸してくれる分、口出しも多かったのです。
とくに実母の注意が細かかったのがご近所付き合いです。引っ越しの挨拶は何軒先までしろだの、町内会の活動は仕事を休んででも行くべきだの、実母からは命令のような強い言い方で何度も注意されました。同じ町内に住んでいたので、実母はMさん一家の評判を気にしていたのかもしれません。
「実家に近い方が便利だと思ったけど、近すぎると返って面倒事が増える…」と、Mさんは実家に近すぎるマイホームにしたことを後悔していました。
電話で頻繁に愚痴を聞かされる
実家から遠くに住んでいても、実母との関係が面倒になるケースもあるようです。Kさん(岡山県在住、40代、販売員)の実家は東京都で、帰省するのは基本的に年1回のみ。その代わり、なるべく電話をするようにしています。
最近年をとったせいか、実母の愚痴の多さにKさんは悩んでいました。今までは楽しい話題が多かったのに、ここ1年程は実母が話すのは実父の愚痴ばかり。実父が定年退職して家にいるようになってから実母の1人時間が激減し、大きなストレスを感じているようです。
Kさんは「なるべく外に出るようにしたら?」とアドバイスするのですが、もともと家が好きな実母は外出すると疲れてしまう様子。実父への鬱憤を電話で解消しているようなので、Kさんは実母の愚痴になるべく付き合うようにしていますが、そろそろ限界のようです。
実の親子だからこそ適度な距離感が大切
実の親子のほうが、自分の気持ちをそのまま伝えやすいところはあるでしょう。しかし「親子だから大丈夫」という甘えが遠慮のない行動につながると、面倒事に発展しかねません。お互いに言いたいことだけぶつけ合い、大喧嘩に発展してしまうこともあります。実の親子だからこそ良好な関係を続けるためには、適度な距離感を持って付き合うことが大切かもしれませんね。