2023年4月に入社を控える新社会人は、大学生活の大半(大学2~4年生の期間)をコロナ禍で過ごしてきました。インターンシップや就職活動も「オンライン」での実施が多かった一方、行動制限の緩和もあり、「最終面接」や「内定式」など節目となるタイミングでは「リアル」回帰の動きも広がっています。コロナ禍で、「オンライン」と「リアル」の双方を経験している新社会人は、「オンライン」と「リアル」どちらを好むのでしょうか。入社式や新入社員研修に、「オンライン」と「リアル」どちらでの参加を希望するか調査しました。
株式会社学情が、2023年4月に入社を控える新社会人(以下、新社会人)を対象に、昨年11月に実施した調査では、入社式は「リアル」での開催を希望する新社会人が7割に迫りました。「入社した実感を得たい」「同期と交流したい」「上司や先輩社員と直接話し、企業の雰囲気を知りたい」といった声が上がりました。新入社員研修は、「リアル」での参加を希望する新社会人が8割に迫りました。「慣れない環境で、オンラインだと質問しにくい」「リアルでの研修のほうが、会社の雰囲気に早く馴染めると思う」「一緒に研修に参加することで、同期との関係を築けると思う」といった声が寄せられました。また、入社式や新入社員研修が「オンライン」だと「不安がある」と回答した新社会人は6割を超え、上司や先輩社員、同期との信頼関係を築けないまま仕事をすることに不安を抱く人が多いことがうかがえます。
入社式は「リアル」での開催を希望する新社会人が7割に迫る
入社式は「リアル」で参加したいと回答した新社会人48.8%に上りました。「どちらかと言えばリアル」21.1%を合わせると、「リアル」での参加を希望する新社会人が7割に迫ります。「入社した実感を得たい」「同期と交流したい」「上司や先輩社員と直接話し、企業の雰囲気を知りたい」といった声が上がりました。
◎学生の声
・リアルで参加したほうが、社会人になったという緊張感を得られると思う
・役員の方や、様々な部署の方と直接お会いし、会社の一員になったという実感を得たい
・これから一緒に働く同期と交流したい
・最終面接以外はオンラインでの選考だったので、実際に会社に行き、職場の雰囲気を知りたい
・一緒に仕事をする上司や先輩社員と直接お話したい
新入社員研修は「リアル」を希望する新社会人が8割に迫る
新入社員研修は「リアル」での参加を希望すると回答した新社会人が54.4%に上りました。「どちらかと言えばリアル」23.1%を合わせると、「リアル」での参加を希望する新社会人が8割に迫ります。入社式よりも「リアル」を希望する割合は7.6ポイント高くなっています。「慣れない環境で、オンラインだと質問しにくい」「名刺交換などはリアルのほうが習得できると思う」「リアルでの研修のほうが、会社の雰囲気に早く馴染めると思う」「一緒に研修に参加することで、同期との関係を築けると思う」といった声が寄せられました。
入社式や新入社員研修が「オンライン」だと「不安がある」と回答した新社会人が6割を超える
入社式や新入社員研修が「オンライン」だと「不安がある」「どちらかと言えば不安がある」と回答した新社会人が63.3%に上りました。「オンラインだと職場の雰囲気が分からない」「上司や先輩社員、同期との人間関係を築きにくいと思う」「先輩がどのような仕事をどのようなスケジュールで担っているか分からないと、質問や相談をするタイミングをつかみにくい」といった声が上がりました。上司や先輩社員、同期との信頼関係を築けないまま働くことに不安を抱く新社会人が多いことが分かります。
入社式や新入社員研修が「オンライン」で実施の場合、不安な点トップは「同期同士のつながりを持つのが難しそう」
入社式や新入社員研修が「オンライン」で実施の場合、不安に感じる点は「同期同士のつながりを持つのが難しそう」が82.1%で最多。次いで、「社内の人間関係を築くのが難しそう」71.3%、「会社の雰囲気に慣れるのが難しそう」69.2%が続きました。
<調査概要>
・調査期間:2022年11月17日~12月4日
・調査機関:株式会社学情
・調査対象:「あさがくナビ2023(ダイレクトリクルーティングサイト会員数No.1)」会員
・有効回答数:441件
・調査方法:Web上でのアンケート調査
※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合あります。
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入社式は7割、新入社員研修は8割に迫る新社会人が、「リアル」での参加を希望する結果となりました。人間関係を築くには「リアル」で顔を合わせてコミュニケーションを取りたい、同じ体験を共有したいと考える新社会人が多いことが分かります。行動制限の緩和を受け、今年は「リアル」での入社式や新入社員研修を実施する企業が増えることが予想されます。程よい緊張感を感じながら同期と一緒に入社式に参加する、人生の節目を実感できる、そんな4月を新社会人の皆さんに迎えて欲しいと思っています。