働く女性の8割「生理で仕事のパフォーマンスが低下した経験がある」「不調を我慢して仕事をしたことがある」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

オンライン診療などを行っているクリニックフォアグループ(東京都港区)が、2023年3月、全国の働く女性610人を対象に「働く女性の生理の影響に関する実態調査」をインターネットで実施した結果、約8割の女性が「仕事において生理で困った経験がある」と回答しました。また、生理による仕事のパフォーマンス低下を経験している人も約8割にのぼることが分かったそうです。

調査の結果、78%の人が「仕事において生理で困った経験がある」(とてもある18%・ある38%・どちらかというとある22%)と回答。具体的には「経血が漏れていないか心配になる」(62%)、「生理による不調が辛くても仕事を休めない」(52%)、「イライラなど精神状態が不安定になり、周囲とのコミュニケーションに困る」(37%)などが挙げられました。

また、81%の人が「生理による仕事のパフォーマンス低下を経験したことがある」(とてもある22%・ある33%・どちらかというとある26%)と回答。「パフォーマンス低下を感じた経験がある」と答えた493人に、「何か対策を講じていますか」と聞いたところ、28%が「対策をしており、効果が出ている」、36%が「対策をしているが、それでもパフォーマンスが下がってしまう」、36%が「対策をしていない」と、約6割の人が対策を講じているにもかかわらずパフォーマンス低下を感じていることが分かりました。

なお、「具体的な対策」としては、「痛み止めの服用」(73%)、「お腹を温める」(47%)、「休息や睡眠を取る」(37%)、「低用量ピルを服用する」(21%)などが挙げられています。

一方、「生理による仕事のパフォーマンス低下の対策をしていない」と回答した177人に、「対策を行わない理由」を教えてもらったところ、「どのような対策をすればいいからわからないから」(60%)、「生理による不調があるのは普通の状態だと思うから」(29%)、「対策にかかる費用が負担になるから」(20%)という結果になりました。

続いて、「生理による不調を我慢して仕事をした経験はありますか」と聞いたところ、82%の女性が「仕事をした経験がある」(とてもある25%・ある38%・どちらかというとある19%)と回答。

また、「休まなかった理由」については、「抵抗を感じるから」(42%)、「上司や同僚に理解をされないと思ったから」(39%)、「上司や同僚に相談しづらかったから」(34%)といった回答が挙げられています。

その一方で、「生理による不調を理由に仕事を休んだことがある」と答えた222人に「生理による不調をどのように上司・同僚に伝えましたか」と聞いたところ、71%の人が生理による不調であることを伝えられた一方で、27%の人は「生理による不調であることは伏せて、体調不良であることを伝えた」と回答しています。

また、「生理による不調について職場で相談ができると思う人」については、「女性の同僚」が51%だったのに対して、31%の人が「誰にも相談できないと思う」と回答。なお、「男性の上司・同僚・部下」はいずれも10%以下に留まっていました。

さらに、「現在の職場の生理に対する理解」については、54%の人が「理解があると感じる」(強く感じる7%・感じる21%・どちらかというと感じる26%)と回答し、その理由として「生理を理由に休ませてもらえる」「生理について相談しやすい」「生理休暇がある」などの声が寄せられています。

他方で、「職場で生理に対する理解を感じない」と回答した人からは、「タブーな雰囲気を感じる」「男性社員ばかりで理解してもらえない」といった声が挙がった一方で、「女性が多い職場で『みんな耐えているんだから』という雰囲気があり休みづらい」といった、女性が多い職場でも生理に対する理解がないと感じている回答が寄せられました。

また、「職場の生理休暇」については、「導入されている」と回答した221人のうち、「利用したことがある」と答えた人は50%。生理休暇を利用したことがある人からは、「ありがたかった」「有給休暇をとることなく休めることで心理的な負担が減り休みやすかった」などポジティブな声があった一方で、「申し訳ない気持ちになった」「評価はさがらないが手取りが減ってしまうのが嫌だった」といった意見も寄せられました。

他方で、生理休暇を利用したことがない人からは、「男性がいる職場では申請しにくい」「無給になるから」「生理休暇が普通の有給と変わらないから」など、生理休暇を導入されていても、実際には取得しづらい状況がうかがえます。

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次に、低用量ピルを服用する働く女性510人を対象に、低用量ピル服用による仕事への影響についての調査を実施。医師の山田光泰氏によると、低用量ピルは少量の女性ホルモンが含まれ、服用するとホルモンの分泌量が変化し、排卵がストップするといいます。

その結果、70%の人が「低用量ピルの服薬によって、服薬を開始する前と比べて働きやすくなったり、仕事のパフォーマンスが向上したと感じる」(とても感じる17%・感じる29%・どちらかというと感じる24%)と回答。

具体的な理由としては、「生理による不調を我慢して働くことがなくなった」(54%)、「経血漏れの心配がなくなった」(50%)、「生理用品を交換する頻度が減った」(46%)といった回答が上位に並びました。

また、「ピルの服薬を継続する中で困ったことや負担に感じること」としては、46%の人が「金銭的負担」を挙げており、ピルにより仕事のパフォーマンス向上につながっている一方で、金銭的な負担を感じていることがうかがえます。

最後に、「職場においてどのようなサポートがあった方がいいと感じますか」と聞いたところ、「低用量ピル処方に関する費用補助」(66%)、「体の不調に対応した、テレワークやフレックスなどの働き方の制度」(42%)、「生理用品の支給や費用補助」(36%)といった回答が上位に挙げらたそうです。

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【出典】
▽クリニックフォア調べ

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