株式会社リクルート(東京都千代田区)が運営するニュースサイト『SUUMOジャーナル(スーモジャーナル)』は、「東京23区内の家賃相場が安い駅ランキング」を発表しました。その結果、最も安い駅1位に選ばれたのは「葛西臨海公園」(5.60万円)だったそうです。
調査は2022年1月~12月の期間に、不動産・住宅情報サイト『SUUMO』に掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が11件以上ある駅)にある物件で、駅徒歩15分以内・10~40平米未満・ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)を対象として実施されました。なお、「家賃」は管理費を含む月額賃料から中央値を算出したといいます。
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ランキングの結果、1位は「葛西臨海公園駅(JR京葉線)」(5.60万円)でした。次いで、同率2位「一之江(都営新宿線)」「新柴又(北総線)」(いずれも6.40万円)、同率4位「京成小岩(京成本線)」「京成金町(京成金町線)」「江戸川(京成本線)」(6.50万円)という結果になっています。
1位は家賃相場がトップ20で唯一の5万円台(5万6000円)だった「葛西臨海公園駅(JR京葉線)」でした。江戸川区の南端に位置し、駅高架下には2021年1月に複合商業施設「Ff(エフエフ)」がオープン。駅南側の出口を出ると「葛西臨海公園」があり、東京湾に面した園内の大観覧車からは海が一望できます。
一方の駅北側には都の中央卸売市場と、物流倉庫街が広がっているため、駅付近に住宅はさほどなく、住宅街らしくなるのは駅から徒歩15分以上のエリア。そのあたりまで出ると、幹線道路の環七沿いにファミレスやスーパー、コンビニなど日常使いできる商店も。駅から徒歩35分ほど離れるとショッピングセンターやホームセンターがあるので自転車や車が使えると生活の幅が広がりそうです。また、東京駅までJR京葉線1本で約13分の近さも魅力的です。
2位は同じく江戸川区にある、「一之江駅(都営新宿線)」で家賃相場は6万4000円。両隣は9位の「瑞江駅」(家賃相場6万6000円)と13位の「船堀駅」(家賃相場6万7000円)です。
4階建ての駅ビルにスーパーや持ち帰り弁当店、中華レストランがあって便利。2021年9月に東口駅前広場の正面に誕生したスーパーをはじめ、駅周辺にもスーパーやコンビニ、ハンバーガーや牛丼などの気軽に入れる飲食店があり、一人暮らしに嬉しい環境。また、都営新宿線で神保町駅まで約23分、市ケ谷駅まで約27分、新宿駅までは約33分で行くことができます。
2位には同額6万4000円で葛飾区にある「新柴又駅(北総線)」もランクイン。映画『男はつらいよ』の主人公・寅さんの生まれ故郷としてロケ地にもなった9位の「柴又駅(京成金町線)」(家賃相場6万6000円)周辺は観光地としてもにぎわっていますが、そこから歩いて10分ほどの新柴又駅周辺は静かな住宅街。スーパーやドラッグストア、コンビニはあるものの、繁華街といった雰囲気ではなく落ち着いた雰囲気です。
北総線は京成本線~京成押上線~都営浅草線~京急本線へと直通運転されているため、新柴又駅から乗り換えずに日本橋駅や新橋駅に行けるのも魅力。品川駅までは電車1本、約45分で到着できます。
また、2位の新柴又駅と9位の柴又駅のように「名称が似ている駅」は、4位の「京成小岩駅(京成本線)」(家賃相場6万5000円)と9位の「小岩駅(JR中央・総武線)」、同じく4位の「京成金町駅(京成金町線)」と7位の「金町駅(JR常磐線)」(家賃相場6万6000円)がランクインしたほか、トップ20には近接しあう駅も多くランクインしていたそうです。
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調査を実施した同サイトは「トップ20全21駅の所在地は、江戸川区が8駅、足立区が6駅、葛飾区が5駅。いずれも東京23区の東部に位置しているため、リーズナブルな賃貸物件を探したいならまずこのエリアをチェックするとよさそうです」とコメント。
その一方で、「江戸川区をはじめ東部エリアも近年は再開発が進められ、街の様子も変わりつつあります。住みやすい街として人気が高まると、家賃相場も上昇しがち。来年、同様の調査を行った際は違った顔ぶれの駅がランキングに並ぶかもしれません」とも述べています。