「焼き天ぷらの素」がめちゃくちゃうまいと話題 フライパンで焼くだけで→「すごい技術だ!」昭和産業に聞いた

太田 浩子 太田 浩子

 「焼き天ぷら」という、面倒な揚げ物の工程をすっ飛ばせる商品が、SNSで注目を集めました。

「こ、こここここここ、これ!!!話題になってたこれ!めちゃくちゃ!う、うまい!!!!すごい技術だ!!!昭和産業さんすごい!!!!!」

 こう紹介したのは「よい(@mccwgs)」さんです。後日、美味しそうに「焼けた」チキンサラダとタラの芽の「天ぷら」の写真もツイートしました。

 ツイートには「買お!」「油高いもんな」「試したい!」「揚げ物するの苦手な僕の味方―!こういうの欲しかった!」「油のハネと処理がめんどいから絶対揚げ物しないマンだけど、これならいいなーやってみたいなー」「これで旦那さんのお弁当に天むす作ろっ」などとコメントが寄せられています。

 こちらの「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」は、昭和産業(東京都千代田区)が発売する天ぷら粉です。薄めに切った具材を、水と混ぜた「焼き天ぷらの素」の生地にくぐらせてフライパンで焼くと、生地が膨れて天ぷらが完成します。

 揚げる手間や油の処理が面倒に感じている人も天ぷら調理ができるように、また、価格が高騰している油の使用量が抑えられる商品として2022年9月1日に発売されました。よいさんに、ツイートした経緯についてお話を聞きました。

──「話題になってたこれ!」とツイートされていますが、「焼き天ぷらの素」を知られたきっかけは?

 焼き天ぷらの素を取り上げたツイートが流れてきて、初めて商品を知りました。油が少なくて済むならと思い、試してみたいと思いました。近所のスーパーなどには売っていなかったので、ネットで注文しました。

──今まで天ぷらは、普通に揚げられていた?

 天ぷらは油の処理が面倒なので、家ではほとんど作りませんでした。

──わかります! とても美味しそうに出来上がった天ぷらの写真を載せられていました。

 実は最初はそこまで期待しておらず、「天ぷら風」のものが出来ればまあいいかな〜ぐらいの気持ちでした。最初は舞茸の天ぷらと大葉の天ぷらを作ってみたのですが、噛んだ瞬間サクッ!と音がして、本当に本物のおいしい天ぷらが出来ていたので、驚いて思わず「ん!?」と声をあげてしまいました。感動して、すぐさまTwitterに書き込みました。数袋まとめて買っていたのですが、その日からしばらく、いろんな材料で天ぷらを作り続けました。ちなみに一人暮らしなので一袋分は一気に使いきれず、半量の粉と水を使っています。

──これなら少量でも作る気になりますね。昭和産業【公式】(@showasangyo_co)さんも反応されるくらいツイートが広がりました。

 公式アカウントの方に届いて嬉しかったです。素晴らしい商品を開発してくださった昭和産業さんに感謝しています。

天ぷら調理の不満点を解消、少ない油で時短にもなる

 「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」を開発した昭和産業の担当者さんにもお話を聞きました。

──揚げなくても天ぷらになる粉の開発は、難しかったのではないでしょうか。

 本商品は、今までの天ぷら粉ではカバーできていなかった、揚げたくない人・揚げない人もカバーできるように、天ぷら調理の不満点を解消し、また近年高まっている「時短簡便ニーズ」に応えたいという想いから開発した商品です。

 開発にあたって、少ない油で天ぷららしい品質を実現することがとても難しかったです。配合や処方の試験を何度も繰り返し、原料の選定や配合割合を調整して、大さじ3杯という少ない油でも、ザクザクとした硬さのある食感を実現しました。天ぷらはもちろん、小さめのかき揚げも焼けるのです!

──天ぷらが、炒め物と同じくらいの手間になったことがすごいです。焼き天ぷらの素についてのツイートが注目されました。

 話題になったことで、より多くの方にこの商品を知っていただき、皆様の反応もSNSなどで知ることができ、大変嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいです。

 また実際に使ってくださった方から「すごい」「便利」「さすが」といったお声も多くいただいており、開発してよかったという嬉しい気持ちと安堵の気持ちも大きいです。

──家庭用の天ぷら粉が6種類ありますね。なかには袋がそのままボウルになるようなものも。時代とともに、簡単に調理できる粉が増えてきているのでしょうか。

 おっしゃる通り、時代の変化や消費者のライフスタイル・ニーズの変化に伴って、初心者向けや専門店監修など、ターゲットを幅広くカバーするために様々な商品を発売しています。

──ホームページに「世界で初めて『天ぷら粉』を発売して2020年で60年になる」と記載されていました。

 弊社は、世界で初めて「天ぷら粉」を開発・販売した会社として、便利な「天ぷら粉」をたくさんの方に使っていただきたいという思いがある一方で、天ぷらを調理する際に欠かせない「油」も販売しています。

──そうなのですか! 焼くだけで天ぷらができちゃうと、油が売れなくて困るのでは?

 開発当初は「少ない油で焼く天ぷら粉」を発売しても良いのかという不安もありましたが、社長から「新しいことにどんどん挑戦してほしい」という言葉をもらい、自信をもって開発を進めることができました。本商品をきっかけに、皆様が、ご家庭で天ぷらを作って食べる頻度が増えれば幸いです。

 ◇ ◇

 筆者も「焼くだけ天ぷらの素」を試してみました。揚げなくてよいなら卓上天ぷらにしようと思い、カセットコンロにすき焼き用鍋をセットして焼きながら食べました。すると、焼きたての熱々がすぐに食べられて家族にも好評。油は少し飛びますが、焼き肉に比べたら少ないくらいでした。またリピートすることになっています。

 昭和産業さんによると、春のおすすめ天ぷら食材は、菜の花・たけのこ・アスパラガス・ふきのとう・そら豆・桜エビだそうですよ。

■昭和産業 https://www.showa-sangyo.co.jp

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