輸送指令を体験 京都鉄道博物館の人気イベントが突然中止 SNSでは大雪遅延時の指令対応と結びつける憶測も 広報担当者に聞いた

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 京都鉄道博物館(京都市下京区)が29日に開催を予定していた特別体験企画「列車運行の裏側~輸送指令のあれこれ教えます」が中止されることが27日分かった。応募殺到の人気イベントはなぜ取りやめになったのか。

 特別体験企画はJR西日本近畿総合指令所の指令員指導の下、運転計画を模擬体験できるという催し。同館が2022年12月に公表した催しの概要では「実際に使用していたダイヤグラムを使って、基本的な輸送手配方法について学び、列車の運転休止等を決定する運転計画にチャレンジしていただきます」としていた。

 鉄道輸送を統括する輸送指令を模擬体験できるとあって計3回30人の定員に応募は殺到。一般4000円の電子チケットは1月19日の販売初日に完売していた。

 しかし、26日になって同館はホームページやツイッターで「『列車運行の裏側~輸送指令のあれこれ教えます』は都合により中止します」と発表した。チケット購入者には返金対応するという。

 JR西日本を巡っては積雪によるポイント故障で24日夜から高槻-山科間で列車が駅間などに停車し、最長10時間近くにわたって計約7000人の乗客が閉じ込められるトラブルがあったばかり。専門家からは「指令所が駅に複数の列車を停車させなかったことに疑問を感じる」との指摘も出ていた。

 ツイッターでは催し中止と大雪でのトラブルとの関連を連想するツイートが多い。京都鉄道博物館の広報担当者は中止の理由について「JR西日本から『人員体制を整えることができなくなった』と聞いた」とし、催しで指導役を務める指令員の人繰りが困難になったことを挙げた。

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