「どこの会社?年収は?なんで給料安いの?」ウンザリ…里帰りで親戚から質問攻め、楽しみはご馳走…台湾の旧正月とは?

Coco Coco

 新年快楽! 台湾在住10年目、ライターのCocoです。今年の旧暦元旦は1月22日。旧暦でも新年となりました。台湾の今年の旧正月休みは1月20日~29日の10日間。大型連休です。今年はコロナ規制がほぼなくなった最初の年のため、国外へ出ている方も相当多いと聞きます。しかし、筆者のまわりにいる若い世代の台湾人からよく聞くのが「旧正月が憂鬱(ゆううつ)」という言葉。台湾の旧正月について、台湾人ブロガーのTessさんに聞いてみました。

10〜20人前の料理、準備するお母さんも大変そう…

 台湾では旧暦大晦日(除夕、チューシー)の日に家族が集まり、みんなでご飯を食べるのが一番大切なのだそう。10〜20人前ぐらいの料理を準備することも珍しくなく、お母さんたちは多忙を極めます。

──いつから準備を? 料理はお母さんが?

 「まず除夕の前の日の夜11時(子の刻)に神様にお祈りをする『拜天公(バイティエンゴン)』という儀式があります。それにもお供物が必要なので、除夕前日から料理を作り始めます。そして除夕の晩ごはん『年夜菜(ニェンイエツァイ)』はたくさんおかずが並びますので、除夕前日から除夕当日までずっと料理の準備で忙しくなります。母や年配者が料理を担当し、子供はお皿洗いや買い出しの手伝いをすることが多いです」

 ──台湾でも旧正月準備で男女の作業量の差はありますか?

 「日本と同じく、台湾でもいまだに男女の差は多少あります。私達20代、30代の若い世代では徐々になくなってきていますが。台湾の少子化が原因で男女関係なしに手伝わないといけないという状況もあるかと思います。40代以上の男性ですと、女性がすべて準備し、男性はお酒を飲んでおしゃべりしていればいいと考える方もいると聞きます」

──若い世代が一番嫌がるのは親族から質問攻めにあうことだそうですが、どんなことを聞かれるのですか?

「まず給料から始まります。どこの会社?月収、年収は?と根掘り葉掘り聞かれ、収入が少ない場合には、なんでそんな少ないの?〇〇さんの子供はもっと稼いでいる、と比較されたりすることも。給料の話がすむと、次は彼氏彼女の有無。結婚予定、出産予定などプライベートを無視して聞かれます。彼氏彼女がいない場合は紹介してあげようか?と言われることも。学生の場合は成績やテストの出来具合などについて聞かれます」

子供から親へ「お年玉」…相場は約2万5千円

 台湾でも日本のお年玉に当たる「紅包(ホンバオ)」があります。台湾では大人から子供に渡すだけでなく、子供が自分の親にも渡します。

──親に紅包を渡し始めるのは何歳ごろから?

 「一般的に仕事を開始した年から親に渡します。例えば、初年度の月給が3万元(約13万円)の場合、2~3千元を包みます。まわりからは3千~1万元と幅広い金額を聞きますが、平均6千元(約2万5千円)ぐらいだと思います」

──質問攻めにあったり、親にお金を渡したりと、厳しいイベントに聞こえますが、旧正月で楽しみにしていることはありますか。

「もちろんあります!まずは大型連休で仕事を休めることです。そして除夕からたくさんおいしい料理が出て、元旦まで残った物を食べ続けます。旧暦1月2日、3日は親戚と会い質問攻めにあいますが、その間も毎日おいしい料理が食べれることは変わりません。伝統的にお菓子もたくさん用意し、客人がお土産を持ってきてくれたりなど、一年に一度のワクワクするイベントであることは間違いありません」

     ◇

 筆者の社会人1年目の友人は、初年度ということで千元(約4300円)の紅包を両親に渡したところ「少なすぎる」と怒られたそうです。なかなかシビアな台湾の旧正月、日本の正月とは違う文化でおもしろいですね。皆さんも良い1年をお過ごしください。

     ◇

 Tessさんは日本好きの台湾人。日本語学習を兼ねて日本語ブログを更新中です。Tessさんブログ「TESS台湾info」

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース