迎えた日から膝に乗った子猫→甘えん坊に 妻にはたくさんスリスリするが、夫にはサラッとひとスリ…ツンデレ「箱入り息子」

渡辺 陽 渡辺 陽

石垣にしがみついていた子猫

颯一郎(そういちろう・1歳・オス)くんは、2021年9月27日、お寺の石垣にしがみついて降りられず鳴いていた。その姿を見た保護主はダンボールに入れて保護しようとしたが、入れ損なって一度は逃がしてしまった。しかし、なぜか颯一郎くんはUターンして戻ってきて、もう一度踵を返して逃げようとしたところを保護された。

すぐに家に馴染む

保護主と兵庫県に住む森田さんは知り合いだった。森田さんは、颯一郎くんを保護したことや大切に育てていることを聞いていた。

「事情があって手放す決心をされたのですが、なかなか知り合いに引き取り手がいなくて困っていることも聞いていました。うちは妻が動物が苦手だったのですが、何度か颯一郎のことを話していたら、思いがけず『うちで飼う?』という言葉が飛び出て、それが決定打となり迎える決心をしました」

2021年11月12日、森田さんは颯一郎くんに会い、28日に迎えた。家に到着すると、颯一郎くんはすぐに膝に乗り、夜は一緒にソファでくつろいでいた。

「全く警戒心はなく、すぐに馴染みました。なかなかごはんを食べなかったので心配しましたが、一眠りしてから夜の9時頃に食べてくれました。安心したことをよく覚えています」

引き取ることが決まってから、「家に着いてから鳴き続けたらどうしよう」とか「懐かなかったらどうしよう」とかあれこれ心配したが、そんな必要は全くなく杞憂に終わった。

パパのランクはカゴより下?

順調な滑り出しだったが、颯一郎くんは夜の大運動会を夜中や明け方に開催した。

「ひどい時は2時間おきに目が覚めてしまい、毎日寝不足でした。なんとか朝まで寝てもらおうと、遊ぶ時間を増やすなどしましたが、効果はありませんでした。ケージに入れるとこっちを見ながら鳴き続けるので、それもかわいそうで断念しました」

結局、森田さんが「こんなもんやろ」、「しゃあない」と諦めたが、生後半年を過ぎたあたりから徐々にましになり、今は朝起こされることはほとんどなくなった。

「目覚まし時計が鳴るまでおとなしく待ってくれています。時間が解決してくれました」

性格はとにかく甘えん坊。

「これは妻限定なのですが、トイレに行く時やお風呂に入る時は、立ち上がると必ずついていきます。洗濯物を外へ干しに行って姿が見えなくなると、か細い声で鳴いています。とにかく妻のことが大好きです。僕は完全に遊び相手だと思われていて、割と激しく戯れてきます」

颯一郎んラブの森田さんだが、颯一郎くんによる森田さんのランクはかなり低いようだ。夫婦で外出先から帰宅すると、妻にこれでもかというくらいスリスリした後、お気に入りのカゴにスリスリし、最後に森田さんにさらっとひとスリして終わる。それでも森田さんは颯一郎くんのことを「箱入り息子」と呼び、大好きだと言って可愛がっている。

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