「虐待されていた野良猫を保護したら、重度の貧血と栄養失調、ダブルキャリアと判明。去勢手術をあきらめお外に返し、寿命を全うさせるべきでは?と病院で言われ号泣。わずかな可能性に賭け手術してもらい、懸命にお世話して祝1年! ごまちゃん、長生きしよう♡」
そんな投稿がXで大きな反響を呼び、「お顔が全然違う!」「長く幸せなおうち猫でいてね」「主様の優しさに感謝します」といった声が寄せられています。投稿したのは、「猫沼さん」(@Chameme_110)。虐待を受けていた野良猫・ごまちゃんとの1年間について、詳しい話を聞きました。
「ヘラヘラ笑いながら蹴っていた」 目の前で見た虐待に保護を決意
昨年春ごろ、近所を歩き回る1匹の野良猫の存在が気になっていたという猫沼さん。ある日突然、その猫が庭に現れました。
「その日以降、毎日やって来ては窓を叩き、鳴きながら全力でアピールしていました。やせているのにお腹だけ大きかったので、妊娠しているのかと思い、庭に簡易ハウスを作ってご飯をあげるようになりました」
しかし、ある日、その光景は一変します。
「突然、庭に男性が入ってきて、くつろいでいた野良ちゃんを数発蹴っているのを目撃したんです。それがご近所の方だったこと、そしてヘラヘラ笑いながら蹴っている様子に、大きな衝撃を受けました。急いで守らなければと思い、その場で緊急保護を決意しました」
フードを入れたキャリーを置くと、ごまちゃんはすんなり中へ。小柄な体つきから1歳くらいと思っていましたが、診察の結果は推定6歳。しかも妊娠していると思っていたお腹は、実は男の子だったことも判明しました。
「お外に返すのもひとつ」 号泣の末に選んだ“家族になる”決断
保護後すぐに病院へ預けたところ、重度の栄養失調、重度の貧血に加え、「ダブルキャリア」(猫白血病ウイルスと猫免疫不全ウイルスの2つのウイルスを保有した状態)であることが分かりました。さらに血液検査の数値も悪く、獣医師からは「手術に耐えられないかもしれない」と告げられます。
「保護や手術によるショックで病気を発症するリスクが高く、このまま外へ返すという選択肢もあると言われました。ショックで号泣しました」
それでも猫沼さんは、ごまちゃんを外へ戻すことは選びませんでした。
「リターンすれば感染が広がる可能性もありますし、毎日うちへ来てくれていた思いを考えると、たとえ最期を看取ることになっても、それまでの間だけでも家の温かさを知ってほしかったんです」
SNSではフォロワーから「ダブルキャリアの子は頑張って生きてきた証」と、励ましの言葉も届きました。
「奇跡を信じて、リスクを承知で手術をお願いしました」
半年かけて心を開いたごまちゃん 「こんなに良い顔を見せてくれた」
保護後の1年間は、決して平坦ではありませんでした。
虐待の影響で人への警戒心は強く、「シャー!」と威嚇し、猫パンチや噛みつきで応戦。猫沼さん自身も血管を損傷して何度も病院へ通い、ごまちゃんに直接触れられるようになるまで半年近くかかったそうです。
さらに真菌症による脱毛で長期間の投薬治療が続き、定期的な血液検査も欠かせませんでした。それでも、少しずつ変化が現れます。
「血液検査の数値が徐々に回復し、きれいな毛並みも戻ってきました。月1回だった通院も、今では半年に1回になっています。数字ではっきり改善が見えたことが、何よりうれしかったです」
現在、ごまちゃんは推定7歳。先住猫が2匹いる猫沼さん宅では、最初に保護した猫がワクチンを接種できない体質のため、ごまちゃんは現在も2階の部屋で隔離生活を送っています。それでも少しずつ人への警戒心は和らぎ、最近ではゴロゴロと喉を鳴らし、お腹を見せて転がる姿も見せるようになりました。
投稿には「今まで頑張って生きてきたのは、いまの幸せのためだったんだね」というコメントも寄せられたそうです。
「リターンを勧められたにもかかわらず、家猫として迎えたことへの温かい言葉に本当に励まされました。世界中には病気やケガをした子を保護している方がたくさんいて、情報を共有できることも心の支えでした」
そして、猫沼さんは、アフター写真に写る穏やかな表情を見つめながらこう話します。
「この写真は一番好きな顔です。こんなにいい表情を見せてくれたことで、すべてが報われた気がしました。決してあきらめないことが大切ですね」