月額380円で「保護猫」を無審査で譲り受けられるという、「猫」のサブスクリプション・サービスに批判の声が殺到している。
通常、シェルターやボランティア団体などから保護猫を引き取る際は、虐待や飼育放棄を防ぐため、「審査」や「トライアル」など、厳しい条件をクリアする必要がある。
しかし問題の猫のサブスク・サービス「ねこホーダイ」では、猫を譲り受ける際に一切の条件がない。また、「飼えなくなった」際には、提携の保護猫シェルターに無料で引き取ってもらえるのだという。
「命のサブスク」に猫好きインフルエンサーも警告
ペットを飼育する上で絶対条件であるはずの、「責任を持ってペットの一生(命)を預かる」という意識が欠如したサービスと、命を軽視した運営方針に、猫の飼い主たちから多くの批判の声があがっている。
5匹の元保護猫たちと暮らすコンドリア水戸さん(@mitoconcon)は、猫たちが動物虐待者や不適切飼育者の犠牲になる可能性を指摘する。
「もう既に色々な方が言及されておりますが、このサービスはないな思います。猫たちが無審査で虐待者や不適切飼育者に渡されるリスクや、シェルター戻されてたらい回しにされる可能性など懸念が尽きません。のらねこ『バンク』やねこ『ホーダイ』など、言葉の使い方も猫に寄り添っているとは思えません」(コンドリア水戸さん)
さらに、猫のサブスク「ねこホーダイ」の運営を行う株式会社のら猫バンクの企業方針に対しても、疑念のツイートを投稿。
「IR情報に『面倒な審査』と書ける神経が。審査は受ける方も億劫かもしれませんが、恐らくやる方もとても気が重いものだと思います。でももしそこで手を抜いて猫が不幸な目に遭ってしまったら、と思いながら各団体様されているのだと思います。公開文書の言葉すらまともに選べない企業が命を扱わないで」(コンドリア水戸さん)
また、5匹の元保護猫と暮らす音楽家、響介(@HOMEALONe_ksk)さんも、「命」を軽視したサービスへの憤りをツイート。その詳細を自身のブログにも綴っている。
「ねこホーダイとかいう猫を不幸にしかしない『猫のサブスク』いや『命のサブスク』を行う鬼畜サービスについて、猫マスターが泣きながらすげえ書きました。恐る恐るサイトを見ると、そこは地獄絵図の様でした。怒りで手が震えてます」(響介さん)
「猫」を「人間の子供」に置き換えて考えて
猫を愛することで知られるコンドリア水戸さんと響介さんのツイートには、多くの共感のリプライが寄せられた。
「物じゃないんだよ!命だよ!」
「飼うと手放すを大きな文字で同じように表記する神経がわかりません…」
「その『面倒な手続き』がなぜ存在するのかをわかってないのヤバイ」
「このパンフの”猫”の部分を”人間の子供”に置き換えて、もう一度読み直して欲しい。子供を育てる責任と猫を飼う責任は一緒だよ?」
運営会社のら猫バンクに取材を依頼
批判の声が殺到しているサービスの内容と、猫たちの安全面について、「ねこホーダイ」を運営をする株式会社のら猫バンクに取材を依頼した。しかし、2022年12月28日現在、運営会社からの返答はまだない。今後も同社への取材依頼を続行する予定だ。
■響介さんのブログ「ねこホーダイとかいう猫を不幸にしかしない鬼畜サービスを見つけたので猫マスターが泣きながらすげえ書く」