視力検査のアレ、実は日本のメーカーの著作物…なぜ気球なの? 「アメリカの眼科で見たよ」「いつもお世話になってます」

中河 桃子 中河 桃子

「イーロンマスク様へ 
この気球の画像見たことありますでしょうか。もし一度でも見ていただけていましたら幸いでございます。
実は弊社の著作物でして。そうなんです!色んな国で見られてるんです!なので…分かってます。図々しいことは百も承知でお願いしております。どうか金色マークをどうか…」

企業のアカウントが青色から金色の認証マークへと変更されるにあたって、青色のままだったことを受け、「G-SQUARE」の公式アカウントが投稿。こちらでは、眼科医療機器メーカーの「ニデック」(愛知県蒲郡市)が開発したゲーム用次世代メガネについて発信しています。

紹介されていた画像は、直線道路の先に気球が写っている図表「気球チャート」。眼科やメガネ店、学校の眼科検診など、近視や乱視などの度合いを調べるための検査機「オートレフラクトメータ」で使われている、おなじみの“アレ”です。どのような経緯で作られた画像なのか「G-SQUARE公式アカウント」の中の人「Gさん」に話を聞きました。

この画像の制作会社を知った人からは「え?!そうなんですか?!」「先週みたよ アメリカの眼科で!」「毎年見ていたのはこの会社のモノだったのですね。」「眼科の検査で見ました」「眼科行くときいつもお世話になっております」などと驚きの声が挙がり、約8万のいいねがつきました。

なお、日本のみならず海外でも見つめられ続けている気球の画像は、ニデック製品にのみ採用されているのだそう。Gさんとニデックの広報部に詳しく話を聞きました。

「実は合成です」

――画像はどこの風景?

「アメリカ合衆国アリゾナ州の直線道路です。創業者の留学先がアメリカだったことや、創業者の目標が世界最大の医療機器市場であるアメリカでナンバーワンになることなど、同国に強い思いを抱いていた背景もあり、1990年より採用しております。

実は、気球は道路の画像と合成しています。道路だけですと遠くは見やすいのですが、眼球が左右に動いて視線が定まらなく測定しづらいため、眼球が静止しやすい、目立つ気球を中心に配置しました」

――この画像が使われるようになった理由は?

「もとは、各眼科医療機器メーカーの全製品でスターバースト(※)という放射状の画像が使われていました。その後、飛行機がチャートの中心に配置されましたが、当社では遠方を見るように促すカラー画像を世界に先駆けて採用しました。

ただ、これだけでは視線が安定しづらかったため、先述の通りアリゾナ州の風景写真に変更し、さらに気球を合成した画像となりました。また、検査では緊張される方が多いので、リラックスして遠くを見てもらいやすくするためのイメージにもなっています」

(※)スターバーストは、宇宙で大量の星ができる現象。漆黒の宇宙で、光輝くような雲のような状態

――海外でも使われているのはなぜ?

「今回ご紹介した画像は、当社の「オートレフラクトメータ」以外でもたくさんの製品で採用しています。海外では100カ国以上で当社製品をご使用いただいているので、この画像というよりは製品への信頼から、こちらの画像が使用されている製品を使っていただいているというわけです」

◇ ◇

世界中でおなじみの画像が、日本のメーカーによるものだったとは驚きです。ちなみに、同社では気球以外にも花やくまモンバージョンを搭載した製品も製造・販売。今後、眼科では、気球の画像をしっかり見て、検査してもらってくださいね。

ちなみにニデックにTwitterアカウントはなく、Facebookでのみ最新情報を発信しています。12月29日時点では 「G-SQUARE」の公式マークは青色のまま。イーロン・マスク氏からの返答もまだないそうですが、どうか願いが届きますように!

G-SQUARE公式Twitterアカウント:@GSQUARE_gaming

GSQUARE公式サイト:https://www.g-square.biz/
ニデック公式サイト:https://www.nidek.co.jp/

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