眼鏡やコンタクトの検査でおなじみ「赤と緑」「気球の写真」で何が分かる? 眼科医療機器メーカーに聞いた

金井 かおる 金井 かおる

 新年度が始まり、新しい眼鏡を作ったり、コンタクトレンズデビューしたりする人も多いのではないでしょうか。眼科の検査終盤で必ず聞かれる質問が「赤と緑、どちらがはっきり見えますか」。一体、何を調べているのか気になり、眼科機器メーカー「ニデック」(本社、愛知県蒲郡市)の担当者に話を聞きました。

「赤」「緑」それとも「同じぐらい」?

 赤と緑のプレートが登場する検査は、黒丸や数字の背景色が赤と緑になっており、大抵どちらか一方の黒丸がはっきり見えます。眼科スタッフにくっきり見える方の色を伝えると、レンズの微調整が行われます。

 ニデックの担当者によると、検査の名称は「赤緑検査」や「レッドグリーンテスト」などと呼ばれます。

 視力検査のラインナップの一つで、機械などで合わせたレンズの度数が強すぎないか弱すぎないか、患者本人が判断する自覚検査です。はっきり見える色によって、視力の矯正をし過ぎているか、適正かが分かるといい、目が疲れにくい状態に近付けるまで、再度細かな調整を行います。

 赤緑検査は眼鏡やコンタクトレンズの度数を決める上で、重要な役割があることが分かりました。

「気球の写真」は1990年に登場、くまモンバージョンも

 もう一つ、視力検査でおなじみなのが、検査の最初に必ず目にする「気球の写真」。機械を覗くと、青い空と緑の草原が広がり、細く長い道の向こうの水平線には赤い気球が浮かんでいます。

 「目の屈折度を測っています。気球を見つめてもらうことで眼球が左右に動くのを防いでいます。機械によっては目にフィットするデータをとらえていることもあります」

 同時に患者側へのやさしさも込められていました。

 「検査は緊張するので、測定する時にリラックスして遠くを見てもらうために遠近的なイメージ画になっています」

 正式名は「気球チャート(balloon chart)」。同社は商標を取得しており、気球の写真は同社の機器にのみ採用されています。

 「1990年から使っており、約30年になります。国内ではかなりのシェアをいただいているので、皆さんに知ってもらっているかと思います」

 古くは別のバージョンもあったそう。さらに、最近では子ども向けの絵柄も用意されているそうです。

 「30年以上前には、飛行機と細長い道という組み合わせもありました。最近では、お子さま向けにキャラクターのくまモンや、お花のバージョンもあります。小さなお子さまでも遠くによく知っているキャラクターや絵があるとじっと見てもらえます」

 ちなみに気球の写真には、細い道の途中に自動車も写っています。近々、メガネやコンタクトレンズを作る予定の方は、気球をじっと見つめる前にさがしてみてはいかがでしょうか。

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