大掃除でやりがちな”汚れの落とし方”に意味なし!「何だったんだあの泡立ちの期待感は」「テレビで見て信じてた」驚く人が続出

中河 桃子 中河 桃子

「重曹とクエン酸を混ぜると勢いよく泡が立ちますが、中和しちゃうので汚れはあまり落ちません」と年末の大掃除に向けての便利情報を、ツイッターで伝えたのは「第一石鹸」(本社:群馬県邑楽郡 @daiichisekken)です。

衣料用や台所用の洗剤に、ボディソープ、漂白剤、除菌アルコールなど衛生にまつわるさまざまな製品を製造・販売している同社。衛生用品のプロが「中和した泡には汚れを落とす力がほとんどない」と紹介したことから、ツイート民からは驚きの声があがりました。

「マジか。何だったんだあの泡立ちの期待感は…」
「知らなかった」
「テレビか何かで見て信じてた」との声が多数。

「風呂椅子や洗面器にこびりついた水垢を落とすのにクエン酸液染み込ませたペーパータオル貼り付けてその上から重曹団子を塗りつけてラップしてたんだけど(ネットで見た方法)意味なかったのかな?半分くらいは落ちてたんだけど確かに完全ではなかった」
「泡で浮かせるのが目的だと思ってました」
「排水口掃除でやった事あるけど汚れ落ちないとは……(´இ□இ`。)°どうりで目立った効果ないなと思ってた」など、混ぜて使用していた人もいました。

クエン酸は酸性、重曹はアルカリ性。汚れを落とすには、クエン酸ならアルカリ性の汚れ(水アカ、石鹸カスなど)を、重曹は酸性の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れなど)と合わせて「中和反応」を起こすことで、汚れを落とします。

つまり、汚れと合わせる前段階でクエン酸と重曹を混ぜると、洗浄力が2倍になるのではなく、中和反応によって汚れを落とす力がなくなってしまいます。この時に「二酸化炭素」の泡が勢いよく発生しますが、中和した泡にはこびりついた汚れを落とす効果はありません。中和させた状態で頑張って掃除をしていた人には伝えにくかったこの事実。メーカーに詳しく話を聞きました。

――今回のツイートをされたきっかけは?

「数年前、排水口のお掃除などに混ぜて使う方法が話題になった時期がありました。現在ではさまざまな掃除の方法がネット上に混在しておりますが、中には効果的でない使い方をしている方もいるのではないかと感じていたことがきっかけです。

ツイッター担当としてはネタツイートのひとつのような気持ちで、開設当初から何度かこの趣旨の投稿をしているんです」

――中和した泡には、本当に洗浄効果はない?

「水の中で発生した泡が、物理的に軽い汚れを浮かび上がらせることはあります。また、洗浄剤に有効成分が配合されている場合は、その有効成分が泡と一緒に汚れに接触している時間が長くなることで、泡にメリットがある場合があります。

ちなみに、重曹とクエン酸を中和させても、家庭で使用する程度の量なら危険性はありませんのでご安心ください」

――重曹とクエン酸は混ぜて使わないほうが良いということ?

「そうですね、当社では代わりに“時間差攻撃”をおすすめしています。

たとえば排水口のヌメリやニオイを取りたい時は、カップ1杯の重曹を排水口に振り入れ、15分以上放置します。汚れがひどい時には、クエン酸をカップ1/2杯を加え、お湯を注ぎます。発泡し始めたら15分以上放置し、泡が消えるのを待ちます。その後、40~50度のお湯で洗い流してください。

ただし、熱湯はキッチンなどの配管を傷める可能性があるので避けてください」

――どうしても泡で汚れを落としたい時はどうすればいい?

「用途や汚れの質に合わせた使用方法で、クエン酸か重曹どちらかを単独で使う方法がおすすめです。汚れの特徴や材質への影響などもあるため使用方法、表示をご確認のうえ、ご使用ください」

――年末の大掃除シーズンにお役立ちのアイテムを教えていただけますか? まずお風呂場は?

「お風呂の掃除には“ルーキーフロ釜洗浄剤 180g”を。大掃除の前日の夜、浴槽の残り湯に全量入れ、イス、洗面器、フタ、小物などをひと晩つけて置くだけ。ヌメリ、湯アカ、石鹸カスも剥がして落とします。ゴシゴシしなくても丸ごと洗えて楽ちんですよ」

――台所は?

キッチンまわりの油汚れは“キッチンクラブセスキ炭酸ソーダ水クリーナー”。セスキ炭酸ソーダと水だけで作った界面活性剤不使用のクリーナーで、さっと一度ふいただけでもキレイになります。電化製品まわりの静電気などで蓄積したホコリには、モップや掃除ペーパーなどにスプレーしてふくときれいになります。高いところから順番に掃除すると、ホコリが飛び散りませんよ。

――肌が弱い人に便利な商品は?

「アルコール成分が苦手な方や肌荒れが気になる方、お子様やペットのいるご家庭でも使える製品が“第一 多目的住居用ノンアルコール除菌スプレー 本体 400ml”です。リビングや住まいの気になる場所の細菌・ウィルスを99.99%除去。食品添加物指定原料を100%使用しているので、安心して除菌できます」

◇  ◇

ちなみに第一石鹸によると、「重曹とクエン酸」を混ぜた時に発生する泡は、入浴剤のバスボムに利用できるのだそう。今回の豆知識、年末の大掃除にも、毎日の掃除にも役立ててみては。同社の公式サイトでも掃除のヒントを詳しく紹介しています。

■第一石鹸公式Twitter:@daiichisekken
■第一石鹸公式サイト:https://daiichisekken.co.jp/howto/nc/

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