「醤油の"うすくち"は味が"薄い"のではなく、色が"淡い"という意味です。一般的に"うすくち"のほうが塩分が高いのでご注意を」。ツイッターで、やすもと醤油【燻製調味料】(@yasumotoshoyu)の投稿に注目が集まっています。
家庭でも馴染み深い、うすくち醤油とこいくち醤油。うすくちはこいくちに比べて色が若干薄く、その名前も相まって「味が薄く、塩分が少ない」と勘違いする人も多いですが、実はうすくち醤油の方が塩分が高いそうです。
投稿には「まじかよ色の話だったんか」「うすくちの方が、塩分少なめの味薄めと思っていた…」「なんと!まじで初めて知った」と驚きの声があがっています。醤油やドレッシングなど調味料を製造する「安本産業株式会社」(島根県松江市)のツイッターの「中の人」に、詳しく話を聞きました。
「薄口」ではなく「淡口」だった!
まず、醤油の作り方を簡単に説明すると、醤油麹(蒸した大豆と炒った小麦粉を混ぜ、麹菌を加えて熟成させたもの)に塩水を混ぜてできた諸味(もろみ)を発酵・熟成→圧搾→加熱してできるそうです。
ーーなぜうすくち醤油の方が塩分が高い?
「うすくち醤油とこいくち醤油で原料の割合が違うからです。醤油成分が多いとうま味が出るので、塩味が少なくても味が出ます。その分、香りや色が濃くなるんです。一方のうすくち醤油は、その醤油成分を少なくして塩味で味を出すというもので、弊社では小麦粉の比率を高くして原材料の割合を調整することで淡くしております。
こいくち醤油に比べて色が薄いので、お吸い物や玉子焼きといった醤油の色をつけたくない料理によく使われますよ」
ーー御社製品の塩分濃度は?
「うすくち醤油が17.5%、こいくち醤油が15.5%で、こいくち醤油の方が低いですね。大体どのメーカーさんでも1~2%は違うんじゃないでしょうか」
ーーうすくちは漢字で書くと「淡口」だとか。
「そうなんです。『味が薄い』のではなく、『色が淡い』という意味ですね。ただ、パッと見て読める人が少ないからか、スーパーなどで売っている醤油はひらがな表記のものが多いです。弊社の製品もひらがなで表記しています」
ーー塩分の高い順に「淡口>白>濃口>=溜>再仕込」と書かれていました。
「白醤油などは弊社で製造していないので、あくまで私が調べた範囲にはなってしまうのですが、その順かと思います。もちろん、メーカーさんや製品によって違いはありますが…。
白醤油は琥珀色をした醤油で、再仕込醤油は塩水の代わりとして醤油を使うのでうま味成分がより高いです。溜まり醤油はトロッとして粘度が高く、濃い色が特徴的ですね」
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ちなみに、取材に応えてくれたやすもと醤油【燻製調味料】ツイッターの「中の人」は製造業務がメインなんだとか。兼務としてツイッターを担当しはじめ、3年目に突入したそうです。
「最初期のフォロワーは5人ほどで、そこから40人ほどに増えまして。あるとき、別のツイートを話題にしていただき、ありがたいことに9万人の方にフォローしてもらえています。
今回の知識は何気なくツイートしたのですが、うすくち=味が薄い(塩が少ない)という認識の方が思ったよりもいらっしゃって、これを機に醤油についてさらに知っていただけてよかったです。これからも醤油やドレッシングについて、みなさまのためになる有意義な投稿をしていけたらなと思っています!」
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