初めての人がいると、テンションガタ落ちの保護犬が話題 慣れてくるとルンルン気分でお散歩も

松田 義人 松田 義人

保護犬の譲渡活動を通じて「殺処分ゼロ」の実現を目指すピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。同団体に2017年に入舎した、はまきという元野犬のメスのワンコがいます。

綺麗な顔立ちで、お散歩中の写真を見れば、さぞ懐っこいワンコのように見えますが、実際ははまきがいる、あきる野譲渡センターの中のワンコの中でも一番の人見知りです。

他のワンコや慣れている人の前では、ルンルンで過ごし、なんなら他のワンコを遊びに誘うのも得意ですが、はまきがふと振り返った際、「初めての人」がいると、一気にテンションダウン。あれだけ楽しそうにしていたのに、急に表情を曇らせ遊ぶのをヤメてしまいます。

急すぎるテンションの落ちっぷりに、他のワンコも困惑するほど

また、大きな音、車の音も苦手で、「初めての人」のとき同様、急に表情が曇ってしまうことも……。まぁ、ここまでは、保護犬にままある反応だと思いますが、はまきの場合はやや過剰で、遊ぶのをヤメるだけでなく、硬直したり、逃げて行ってしまいます。

一緒に楽しく遊んだり、遊びに誘われていた他のワンコも「あれ遊ぶのもう終わり?」とキョトンとした表情で去っていくはまきの背中を見つめますが、それだけはまきは、「初めての人」に対する警戒がかなり強いのでした。

「初めての人」は苦手だけど、攻撃的にはならない性格の良さ

ただし、「初めての人」への警戒心はかなり強い一方、もともとが穏やかで楽しい性格のはまきは、そういう人に対してことさら吠えたり、「近寄るな」とばかりに噛み付いてくるようなことはなく、あくまでもテンション低めにジッとしているだけ。体を触っても、嫌がる素振りはあまり見せません。

また、「初めての人」に確かに過剰なビビリを見せるはまきですが、だんだん慣れてくると手からおやつを食べてくれたり、その人にも遊んでアピールをしたりし始めます。こういうときスタッフは「はまきが心を開いてくれた」「はまきが信用してくれた」と、すごく嬉しい気持ちになると言います。

こういったことから、スタッフははまきがリラックスできるよう、できるだけ一緒に過ごすようにし、あえてはまきの周辺を人が通ったり、近くにいる環境をつくるようにしました。

ビビリな性格とペースを最優先にしてくれる里親さんを募集中

スタッフの配慮によって、はまきがだんだん人慣れしてきたことがわかり、今年ようやく犬舎から、新しい里親さんを探す譲渡センターに移動することになりました。ただし、以前ほどではなくなったとはいえ今でも「初めての人」はやっぱり苦手なはまき。譲渡センターでも「初めての人」を確認すると、震えて隠れてしまうこともあります。

スタッフは、こういったはまきの性格をきちんと理解し慌てず急かさず、はまきのペースを最優先に、ゆっくりと距離を縮めてくれるような里親さんとのマッチングを目指しているとのことです。

保護される以前のはまきの生活を想像するのは困難ですが、多くの元野犬がそうであるように、「ワンコは好きだけど、人間は接したことがないから、よくわからない」「人間が怖い」といったことで、こういった言動をとるのではないかと思います。

他方、その警戒心から、ことさら吠えたり噛み付いてしまうワンコもいる中で、前述の通りはまきの性格はいたって穏やか。リラックスしているときのルンルン気分は、他のワンコ以上のようにも映ります。こういった、はまきの楽しい性格を、さらに引き出してくれる里親さんと出会えることを願うばかりです。

   ◇   ◇

▽ピースワンコ・ジャパン あきる野譲渡センター
https://peace-wanko.jp/hogoken/wanko/?transfer%5B%5D=akiru

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース