覚悟すべきは「医療費」「食費」「冷房代」
ーー「いま大型ショッピングモールにピレがいるらしい。ボンドの影響で安易な販売はしないでほしいなって思ってた矢先にさっそくか…」とツイートしていらっしゃいましたね。昨今のピレ人気について、幼少期からピレと暮らしてきたもふさんはどんな風に感じていますか?
「自分で考えることを良しとする犬種なので、コマンド重視の躾をすると反発することの方が多いです。事実、グレートピレニーズというだけで警察犬学校の躾教室に断られたこともあります。初心者には難しいでしょうね…」
ーーピレと暮らす上で覚悟すべきことは…?
「医療費・食費・冷房代です。あと抜け毛。食べ盛りの時は1キロ近くペロリと食べることもあれば、気が向かなければ平気で1週間はセルフ絶食しますので、夏場は何でもいいから食べさせないと一気に弱りますし、雪国の犬なので、冬以外ほぼ1年中冷房必須です。
ペット保険がなければ手術費100万円も一瞬です。何よりも、”超大型犬を診察出来る獣医さん”が本当に少なく、かかりつけのお医者さんと出会えるまでが大変です。成長速度についても、小型犬や中型犬と違い、超大型犬の場合は3歳までを成長期と理解してください。どれだけ身体がでかく立派になっても、3歳までは子犬です」
「ハスキーの悲劇」を繰り返さないために
犬に対する知識や経験に加え、超大型犬であるグレート・ピレニーズの飼養には、経済面でもかなりの覚悟が求められます。それでも、「ピレの魅力はどっしりした見た目と穏やかな性格でしょうか。包容力のかたまりです」と、飼い主のもふさん。
「原産国であるフランスの山岳地帯では、2人の人間より1頭のピレニーズと言われるくらいに賢く、指示されずとも自分たちで考え、仕事を配分し合うほど知能が高い犬種です。よく人間みたいだと言われますが、まさしくその通りですね」(Jolly&Simba(もふ)さん)
実際、シンバくんも鋭い洞察力と深い思いやりの持ち主。もふさんの体調が悪い時はいつも、自分のお気に入りのおもちゃやオヤツを差し入れに持って来てくれるそうです。
基本的に「犬」は警戒心の強い動物であり、知らない人が苦手。「犬」と「あなた」の安全を守るためにも、飼い主さんに無断で、お散歩中の犬に触ったり、みだりに近寄ることは厳禁です。
そして、一大ブームから起きた「シベリアンハスキーの悲劇」を繰り返さないためにも、どんなペットを迎える際も必ず、最後までその命を預かる覚悟と責任が必要です。