「若者を食い物にする自称業界人と戦いました」と、漫画家のぬこー様ちゃんさん(@nukosama)が、夢を追う若者を騙そうとする“自称業界人”と戦ったエピソードについて漫画で紹介しました。
それは、ぬこー様ちゃんさんが、専門学校で講師をしていた時の話。
ある生徒が、「先生、わたし今度、雑誌にイラストが載るかもしれないんですよー」と話しかけてきました。
「(SNSの)フォロワーに業界人の方がいた」と話す生徒。ぬこー様ちゃんさんはその時点で悪い予感がします。
その後、生徒から聞くところによるとそのフォロワーから、「書籍の挿絵を無償で担当する代わりに、出版社の人を紹介する」と約束してもらったとのこと。さらに、「その人は有名な漫画家の知り合いがたくさんいて、色々な仕事をしているよう」だといいます。
期待に目を輝かせながら話す生徒でしたが、この時点でぬこー様ちゃんさんはピンときました。これは、夢を追う若者を食い物にする“自称業界人”の手口だと――。
その“自称業界人”は、最初はあれこれと生徒をおだてたり、期待を持たせるようなことを言って、気を引こうとしてきます。しかし、生徒がぬこー様ちゃんさんのアドバイスに従い、会うのを断ったり、対価を払ってもらえるようお願いしたりすると、態度が一変。相手を批判し自身の正当性を誇示するような論調になり、自分の要求を押し通そうとしてきました。
挙句、講師であるぬこー様ちゃんさんのことを、「業界わかってない」「半端モン」などと否定する始末。そこに、ぬこー様ちゃんさんご本人が登場。戦いの幕が切って落とされました…。
純粋な人ほど騙されやすい
業界にはびこる闇について綴ったエピソード。
ぬこー様ちゃんさんによると、このような“自称業界人”は業界のいたるところにいるそうです。今回の漫画も、特定の事例のみを扱っているわけではなく、その他の色々な“エセ業界人”にまつわる話も合体させて作ったとのこと。
しかし、逆にいえば、それだけ騙される若者が多いということ。まだ経験が少ないため、純粋であり、その分認められたり褒められたりすると、それを素直に喜びとして受け取ります。
しかし、悪い輩は卑劣にも、そんな若者の清らかな心に付け込んでくるのですね。そんな人に騙されないようにするために大切なことは「相手を知ること」。
漫画内でもぬこー様ちゃんさんは、その“自称業界人”のことを、Wikipediaの情報やFacebookなどのSNSに書かれている経歴に至るまで、徹底的に調べ上げています。あまりのリサーチ力に生徒からも「怖い」と言われてしまうほど。
調査の結果は“真っ黒”でした。しかし、そのことが分かったからこそ、まっとうな判断や適切な対処もできるわけです。
恐ろしい罠に巻き込まれつつあった生徒を身体を張って守ったぬこー様ちゃんさん。その顛末を綴った漫画に、多くの人から反響が寄せられています。
「今回も凄く面白かったのと人の怖さを痛感しました」
「先生として当然の務めかもしれないけど、ここまで毅然とできる人って案外いないのでは?」
「ぬこー様ちゃんさん格好よすぎる・・・」
「確かにリサーチ能力は怖いです……笑」
「自分はバンドのほうで食い物にされた側なので羨ましいですね、こういうひとが居てくれるの」
ぬこー様ちゃんさんに詳しくお話を聞きました。
――“自称業界人”について、見分けるポイントはいくつもあると思うのですが、まず最初に注目すべきポイントはどのようなところですか?
ぬこー様ちゃんさん:手軽な見分け方としては、まず実績より人脈アピールしてくるやつ、ダメです。あとあいまいな肩書き名乗る人も。とはいえ本物の業界人であっても悪い人はいるので全部に警戒すべきです。
――漫画では、相手の情報について徹底的に調べ上げている場面もありますね。どうやって相手の情報をここまで突き止めたのでしょうか?
ぬこー様ちゃんさん:この手の人間はいろんな人に同じことを行っており、被害者も多いのですぐに情報が出てきます。聞かれてもないのにベラベラ自慢しながら歩いてます。漫画で取り上げた人物に関しては、別アカウントで女性配信者に嫌がらせをしていたのでそこからその被害者さんにいろいろ聞きました。
――騙されそうになった教え子さんのその後は?
ぬこー様ちゃんさん:騙された子のモデルになった生徒はみんな元気です。卒業後も働きながら活動を続けております。
――こういった勧誘をしてくる人には悪い人が多く、注意しないといけないのはもちろんですが、中には善意で声をかけてくる人もいるのでは?そのような人を見分けるポイントはありますか?
ぬこー様ちゃんさん:善意の方もいらっしゃるとは思いますが、そういう方はちゃんとしているので学生に直接連絡は取らないと思います。必ず学校なりを通して話をするはずです。なのでちゃんと組織を通して依頼してくる方にはちゃんと対応したら良いと思います!
――逆に、依頼する側もそこは気を付けるべきですね。
ぬこー様ちゃんさん:依頼する側も、こじれないように自分の会社なり、生徒の通う学校なりを通して連絡を取るようにしましょう。
――これからイラストや漫画などの活動を志す若い人たちに、アドバイスをお願いします。
ぬこー様ちゃんさん:クリエイターとして自立するには賢くないとダメなので、活動するだけじゃなくしっかり勉強もしましょう!!!!
ぬこー様ちゃんさんは、今回のような講師時代のエピソードも含め、自身の体験談を綴った絵日記漫画をTwitterにて毎日公開中。また、それらの漫画のまとめは、『ぬこー様ちゃん絵日記集』として、Kindleにて無料公開されています。
今回の『業界人と戦った話』も、Kindle版で全編を読むことができます。
■ぬこー様ちゃんさんのTwitterはこちら
→https://twitter.com/nukosama
■『ぬこー様ちゃん絵日記集』はこちら
→https://www.amazon.co.jp/dp/B09WH479KQ
■『ぬこー様ちゃん絵日記集#05 業界人と戦った話:専門講師編』はこちら
→https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0B2QD81DF