「皆既月食、始めから終わりまでを一枚におさめたら」…「天才か?」「言葉を失うほど美しい」と絶賛の嵐

小川 良樹 小川 良樹

「皆既月食 始まりから終わりまでを一枚に収めたら美しすぎた」と、Yoshiyuki Harada | 原田 義之さん(@yohar1114)が投稿した写真がネット上で話題になりました。

月が地球の影に徐々に覆われていき、太陽と地球と月が一直線に並び、月全体が地球の影に完全に覆われた状態のことを「皆既月食」と言いますが、今回は、天王星が月の後ろに入り込む「天王星食」も同時に見られたということです。これが同時に見られるのは安土桃山時代の1580年以来で、実に442年ぶりということで注目が集まりました。

こちらの素晴らしい皆既月食の写真に対してリプ欄には、絶賛の声が多数寄せられました。

「天才か?」
「美しい素晴らしい。」
「どうやって撮ったらこんななるんやろ」
「教科書に載せていいくらいきれいな皆既月食ですね」
「美しすぎますね…写真の魅力が詰まっています🥺」

写真を投稿した原田 義之さんにお話を聞きました。

ーーこちらの皆既月食の写真はいつ、撮影されたものでしょうか?

「2022年11月8日の皆既月食の時に、皆既月食の始まりから終わりまでの約4時間を3分おきに撮影し、1枚の写真に比較明合成という手法で重ねたものになります。」

ーー「比較明合成」とはどういった技術なのでしょうか?

「比較明合成とは、重ね合わせる写真のうち明るい部分を優先して合成する方法になります。今回の写真ですと、明るい月の部分が重なっていっています。こちらはAdobe Photoshopを用いて行いました。」

ーー川に街灯が反射して、とても素敵なロケーションだなと感じたのですが、どのようなところから撮影されたのでしょうか?

「スカイツリー近くの北十間川の枕橋の上から撮影しました。左側の街灯のところは2020年に開業した東京ミズマチというショッピングモールがあり、華やかさを加えてくれました。」

ーーこちらの写真を撮るにあたり、気をつけたことは?

「大きく2つあり、構図と完成形のイメージです。構図については、月食開始時にシャッターを切り始めたら構図は変えられないので、月食が終わった時の月の位置を予測して画角に入るけど引きすぎないギリギリを狙うことです。

完成形については、家に帰って、実際に画像を重ねてみるまで完成形を見ることができず、
重ねてみたらイメージと違ったらどうしようという不安がありました。結果的には実際に重ねた画像ができた時に想像以上の光景が広がっており、最高の皆既月食の写真が撮れたと思ってます」

ーーちなみにお使いのカメラはどのメーカーの何を使っているのでしょうか?

「今回の写真では、富士フイルムのGFX100Sを使用して撮影しました。望遠レンズを使用した寄りの写真ではSONYのα7RIVを使用しました」

ーー今まで様々な写真を撮られたと思うのですが、なかでもお気に入りの1枚は?

「一番のお気に入りはスカイツリーと隅田川花火大会の共演の写真です。この写真で「東京カメラ部10選」(※2018年当時に投稿された1150万枚から選ばれた10枚)に選んでいただき渋谷ヒカリエで開催した写真展でメイン展示させていただいた、思い出の作品です。」

ーーこれからカメラを始めようと思っている方に、何とアドバイスされますか?

「水平をしっかりとって撮影するとか定番の構図などの作法はありますが、何を撮るかというルールはありません」

最後に原田さんは、「自分が心動かされた物、美しいと思った物を大事にして自分の感性で切り取っていってください」と話してくれました。

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