駐車場にポツンといた子猫 5年後、飼い主と眠る甘えん坊に 18年連れ添った亡き愛猫の悲しみ癒やす

渡辺 陽 渡辺 陽

スーパーの駐車場にポツンといた子猫

ぷんちゃん(5歳・オス)は、2017年11月、埼玉県新座市のスーパーの駐車場にいたところをボランティアに保護された。まだ子猫だったが、1匹でポツンといて、兄弟や母猫は見当たらなかった。ボランティアは、その日別の猫を捕獲に行ったのだが、たまたまぷんちゃんを見つけたので捕獲器を仕掛けて捕まえたそうだ。

埼玉県に住む野澤さんは、2017年7月27日、18年間一緒に暮らした愛猫のずずちゃんを亡くした。ずずちゃんを失った悲しみは深く、毎日、毎日泣いて暮らしていた。次の子を迎えることはないと思っていたが、11月20日、たまたま買い物に行ったスーパーで猫の譲渡会が開催されていた。譲渡会には行ったことがなかったが、初めて参加してみたという。

言霊の力

野澤さんは、それまでにも亡くなったずずちゃんに、「もし万が一、次に猫を迎えることになったら、漫画に出てくるキジトラ猫の小梅さんみたいな猫がいいな」と、心の中で話しかけることがあった。

言霊の力なのか、譲渡会で出会ったのはキジトラのぷんちゃんだった。ぷんちゃんはずーっと鳴いていて、野澤さんは気になって仕方なかった。

「ぷん以外の猫は目に入りませんでした。ボランティアさんに亡くなったすずの話をしていたら、『気になった子のトライアルをしてみませんか』と言われたのです。私の中ではトライアルというより、もうぷんを飼うと心が決まっていました」

ママが大好き

11月23日、ボランティアがぷんちゃんを家に連れてきてくれた。ぷんちゃんは、「お達者でね〜」と置いていかれて寂しそうにしていた。

「夜泣きして、2日間くらいは私も心配で眠れませんでした。でも、3日くらい経った時、テレビを見ていたら、ぷんが自分から膝に乗ってきてくれたのです」

ぷんちゃんは家族の中でも野澤さんに一番よく懐いている。他の誰にもほとんど甘えないのに、野澤さんには甘えてきて一緒に寝ることもある。なぜか夫には全く懐かない。窓辺で外を見るのが大好きだ。野澤さんにとっては、大切な家族だという。

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