「『あー結婚したいよー。老後が1人なんて淋しすぎる…絶対イヤぁあ』って言ってる同僚(ピチピチの20代女性)に『結婚しても老後が安心とは限らんぞ。俺カミさんに先逝かれたし、息子も顔見せてくれん。それより貯金と趣味と仲間がよっぽど大切やでー』って言うお爺ちゃん(90歳)に人生の本質を貫かれてた」
介護施設にまつわるツイートが話題になっています。ツイートをされたのは、長年高齢者施設で働き、施設長などを務めた経歴も持つ、てれたす®(@teretasu)さん。
「老後が1人なのは淋しいから結婚したい」と嘆く20代の女性職員に対し、「結婚しても老後が安心とは限らない。貯金と趣味と仲間がよっぽど大切――」そのように語る利用者のお爺ちゃん。まさに、人生の大先輩からのアドバイスです。
てれたすさんは20年にわたり介護の現場を経験。その中で、出会った高齢者の方の言葉や、施設内で体験したことなどを多くツイートされています。
長く人生経験を積まれからこその含蓄ある言葉、可愛らしい人間味を感じる入居者さんの言動、職員・利用者ともども和やかで楽し気な施設の風景、認知症になっても優しい心や人間としての尊厳を失わない利用者さんのエピソードなどのほか、職員目線での大変だったこと、ホッコリしたことなども紹介。
介護の現場の「リアルな日常」が伝わるツイートの数々に、多くの方々からの共感の声が集まっています。
「重ねた年の数が違いますね」
「説得力がハンパないですよねw」
「認知症になっても愛されるすてきな99歳になりたいです」
てれたすさんに当時、利用者の方々に対して心掛けていたことについて聞いてみました。
「人生の先輩として敬う。いくら親しくなっても家族にはなれないし、なる必要もない。サービスを受けてくださっている顧客として接し、親しき仲にも礼儀あり。といったことを意識していました。また認知症になっても、歩けなくなっても、寝たきりでも、自分らしく生きる人を増やしたい――という想いから、ご本人の考えを優先し、汲み取るように努めました」
敬意をもって利用者の方々に接してきたというてれたすさん。そんなてれたすさんに対しても、「あなたはものの見方考え方が素敵」「素晴らしい観察と職業に対するプロ意識ですね」など、介護職員としての姿勢を称賛するコメントが寄せられています。
長年の現場の経験も活かしながら、業界を変えるために活動
このように、長年高齢者介護の現場で働いてきたてれたすさん。
業界をよりよくしたいという想いから、今年の6月に起業をされました。
「介護や保育、福祉といった仕事は絶対に無くてはならないものです。しかし、働く人への待遇はあまり良くなく、経営者も人材獲得に頭を悩ましているケースが多いです。ケアすべき人をケアすることによって、福祉介護業界に人材が集まるようにしたいと考えています」
このように、てれたすさんは事業にかける想いを語ります。現在、ITの力を使って介護福祉医療業界をサポートする「Care Call(ケアコール)」、介護業界以外にもさまざまな業種のフリーランスの方々を対象にした「フリーランスラボ」を展開。IT技術と現場での経験を組み合わせて、業界に革命を起こすべく活動されているといいます。
また、直近の目標として、新たな事業所の立ち上げも計画中。子供や障がい者、介護が必要な高齢者のためのデイサービスを商店街に作りたいと考えています。
「子供が車椅子を押し、お年寄りが子供や障がい者に知恵を教える。障がい者も、特性に応じて自分の出来ることをしていく。パンを作ったり、袋詰めの作業など仕事として社会に貢献し、みんなで『自立』を支援しあえるデイサービスとショートステイの仕組みを作りたいです。商店街の活性化にも繋げていきたいと考えています」
そのような活動を通じて、福祉介護業界を楽しく働ける憧れの仕事にし、将来は世界に日本のきめ細やかで高品質、効率も良い介護サービスを広めていきたい、とてれたすさんは語ります。
介護職員として、多くの利用者さまのサポートをしてきたてれたすさん。よりたくさんの人たちが喜ぶ社会を目指し、さらなる大きな活動に取り掛かろうとしています。
「世界に、今よりも少しでもいいから笑顔が増えるように努力していきます」
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■てれたす®さんのTwitterはこちら
→https://twitter.com/teretasu
■フリーランスラボのホームページはこちら
→https://freelancelaboratory.com
■Care Callのホームページはこちら
→ https://carecall.jp