ラジオ大好き“ハガキ職人”小5女子→9年後、夢かなえて憧れのDJの目の前に「番組スタッフになりました」

金井 かおる 金井 かおる

 神戸のFM局「Kiss FM KOBE」などでラジオパーソナリティーとして活躍する藤原岬さんが自身の公式Twitterに投稿したエピソードが話題です。

 「小学5年の時からずーっと番組聴いてメッセージを送ってくれてた女のコがいました。『いつかKissで働きたい』という夢を持ったその子は9年経ってKiss FM KOBEに ADちゃんとして来てくれました。ラジオを好きで居続けてくれてありがとう。よろしくね」

 投稿には藤原さんとAD女性とのツーショット写真も添えられており、ユーザーからは「うわ〜すごい」「感動ですね」「素敵なお話」「映画みたい」などの声が寄せられています。

藤原岬さん「1秒でピンと来ました!」

 ADの名は「はるか」さん。大学に通う傍ら、今年9月から同局アルバイトとして働いています。

 藤原さんははるかさんとの対面時を振り返り「局のスタッフに『新しいADの子です』と紹介されました。ラジオネームを名乗ってくれた瞬間に、1秒でピンと来て『えええええーっ!』と」。藤原さんのDJ人生の中でも番組ファンがADになった例は初めてだったそうで「ただただびっくりしました」。

 小学生の頃のはるかさんの印象を尋ねると「始めの頃は大きな文字でメッセージを送ってくれていました。学年が上がるとともに文字が小さく整い、手紙がメールになり、成長を感じていました。メッセージからはラジオが好きな気持ちが毎回伝わってきてたので、ラジオという媒体がずっと自分の中にあり続けて、突き進んでくれたことがうれしいです」。

 自身の番組がきっかけになり、若者が将来の道を決めたことについては「将来を決めたきっかけになっただなんて、そんなことは一切思ってないです」とかぶりを振り、リスナーからのメッセージのお陰で番組が成り立っていると謙遜しました。

 「兵庫は生活の中にラジオが根ざしている人が多く、番組にメッセージを送ってくれる人も多い気がします。メッセージのお陰で番組では毎回ドラマがあるんですよ。例えばある女性は、初めて身籠りました、もうすぐ臨月です、今から病院です頑張ってきます、出産して10分後ですがベッドからメッセージを送っていますーーなんてことも。1年後には番組の公開収録に赤ちゃんを連れてきてくれました。皆さんの節目節目のアルバムの中の片隅に私も入れてもらっているみたいで感慨深いです」

お小遣いでPC購入、番組にメッセージ

 はるかさんにも話を聞きました。

──小学生の頃からラジオを?

「幼いころからKiss FM KOBEが大好きで、よくイベントや公開収録などに遊びに行ってました。小学生の頃は、パソコンもスマホも持っていなかったので、ハガキや手紙で番組にお便りを送っていました。中学生になってお小遣いでパソコンを買ってからは、長期休みは朝から晩まで、学校がある日も帰ってきたらラジオの電源を付けてすぐにメッセージを送っていました(笑)。中学生の時にはトライやるウィーク(兵庫県が実施する職場体験授業)で貴重な経験をさせていただきました」

──Kiss FM KOBEで働きたかった理由は。

「イベントや職場体験などで、スタッフの方々やサウンドクルー(パーソナリティー)の方々が本当に楽しそうにお仕事をされている姿をいっぱい見て、いつの日か自分も働いてみたいと思うようになりました」

──夢に近づくためどんな努力を。

「とにかくたくさんKiss FM KOBEの番組を聴いていました。大学でも放送関係のことを学んでいるので、常に『これはラジオの番組づくりに生かせないかな?』と思いながら授業を受けています」

──実際に働いた感想は。

「小学生の時から憧れている方々が働いてらっしゃる場所ということもあり、実は局に行かせていただくたびにとっても緊張しています(笑)。ですが、皆さんとてもお優しいので、すぐにリラックス出来ます。いつも気さくに話しかけてくださって感謝感謝です」

──卒業後の夢は。

「大学を卒業した後もKiss FM KOBEでスタッフとして働くことです。ラジオに関わるお仕事をずっと続けていきたいです」

     ◇

 はるかさんがADを務める番組「ハイスクールノオト」の担当アナウンサー永田早紀さんによると、番組リスナーが入社する例は「以前にもありましたが、頻繁ではないと思います」。永田さんとしてもラジオ好きな若者たちには門戸を広げたいようで「ラジオ局で働きたいと思ってくれる方がいてくれた場合は、私としてはできるだけ機会を作れるようにしたいと思っています」と話しました。

     ◇

 はるかさんの将来の夢を知った藤原岬さんは、こんなメッセージを寄せてくれました。

 「もちろん全力で応援しています。はるかさんがいつかディレクターになって、私がはるかさんのキューを受けられるように、私もその日までDJとしてがんばり続けます。一緒に仕事ができる日までお互いがんばっていきましょう」(藤原岬さん)

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