大量注文の予約→指定の時間に現れず→電話したら無関係なアパレル店だった!? 有名たこ焼き店が遭遇した営業妨害「自衛にも限界が…」

黒川 裕生 黒川 裕生

飲食店に大量注文や大人数の予約が入る→連絡なしでキャンセル…というトラブルが、しばしばSNSなどを騒がせている。大阪・日本橋の有名たこ焼き店「グーニーズ」も、電話で大量注文した客が指定の時間を過ぎても受け取りに来ず、聞いていた番号に電話するとなぜか無関係なアパレル店に繋がるという奇妙な被害に遭遇。グーニーズの店長ゆきおさん(@goonies2222)は「お客さまを疑って商売するのは気が引ける。店の自衛も大事だが、このような迷惑行為の対策を講じるのは正直難しい」と悩みを口にする。

ゆきおさんによると、「ヤマザキ」と名乗る女性から大量の電話注文が入ったのは、ある日のお昼前。番号は非通知で、注文内容はたこ焼き4パックとサイドメニュー4パックの計3000円分ほどだったという。

しかし女性は店に現れず、注文時に口頭で確認していた番号にかけてみたところ、そこは大阪市内にある大手アパレルの店舗。驚きつつも念のために事情を説明して「ヤマザキさんという方はいらっしゃいますか」と尋ねると、「ヤマザキと言ってました? それ、いたずら電話です!」と何やらワケがありそうな反応が…。

「事情を伺ってみたら、その店には数年にわたって300店舗以上の飲食店から同じ内容の電話がかかってきているそうなんです。つまり『ヤマザキ』と名乗る女性が、あちこちの飲食店に電話で大量注文して、自分の連絡先としてこのアパレル店の番号を伝えているということ。店に対する営業妨害、嫌がらせの“道具”に、私たちのような飲食店が利用されているとわかり、許せないと思いました」(ゆきおさん)

被害届も受理されず「どうしたらいいの?」

アパレル店は警察に相談したが、「実害が出ているのは飲食店だから」との理由で被害届は受理されなかったという。「ならば飲食店の方から被害届を出そう」と、ゆきおさんが警察に相談。ところが応対した警察官は「本当に起こった出来事なのか?」「そのたこ焼き店はそもそも実在するのか?」と怪しむような素振りを見せ、最終的に「今の段階では被害とは思えません」と相談を打ち切り。被害届は出せずに終わった。

「どうしたらこのような営業妨害を止められるんでしょうか」とゆきおさん。「今のお店は9年目になりますが、こんなトラブルは初めての経験です。いつも普通に名前と連絡先、取りに来られる時間と注文内容だけ確認していて、『嫌がらせかもしれない』という可能性を想定した対策は考えたことがありませんでした。甘いと言われればその通りかもしれませんが…」と肩を落とす。

ゆきおさんは対策の第一歩として、非通知の電話を着信拒否する設定に変更。Twitterでトラブルを報告すると、「電話が来たら折り返して注文を聞けばいいのでは」というアドバイスが寄せられたそうだが、ゆきおさんは「たこ焼きはスピード勝負なところもあり、電話対応でそんな作業を増やす余裕はありません。大切なお客さまに、面倒や時間をかけさせたくもないですし…」と話す。

「コロナ禍や値上げでどこの飲食店もものすごく大変な状況ですが、誰だってお客さまを疑いながら営業なんてしたくないはずです。飲食店側の自衛も、もちろん大切です! でも正直、万全の対策は難しい。まずはこんなトラブルがあったということを多くの人に知っていただくことで、少しでも注意喚起に繋がればと願っています」

ちなみに後日、警察からは「やっぱり捜査を進める」と方針転換(?)の連絡があったそうだ。ゆきおさんは「あれだけ頑なに拒否されていたので驚きましたが、じゃあ私もそのつもりで動こうと思います!」と前向きに受け止めている。

【グーニーズ】https://lit.link/GOONIES

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