「初めて拡散希望致します。私は詐欺被害に遭いました」ーーフリーアナウンサーとして活躍する近藤サトさんは2月下旬、自身の公式ツイッターを更新。詐欺被害にあったことを打ち明けました。近藤さんはまいどなニュースの取材に対し「あとから思えばおかしいことだらけでした」。その手口とはーー。
メールはブロック、電話は「使われておりません」
着物好きとして知られる近藤さんは1月、ネットショップで袴を見つけ、注文しました。用心深い近藤さんはクレジットのカード情報を入力することを警戒。入金方法は銀行振込を選びました。大手都市銀行の指定された口座に代金約13000円を振り込むと、ショップからメールが届きました。「ご入金ありがとうございました」。
入金後、数日で届くはずの商品が、10日程経っても音沙汰なし。いよいよ不安になった近藤さんはショップへ問い合わせのメールを送ります。ここで近藤さんのメールはショップ側からブロックされていることが分かりました。あわてて電話をすると「現在使われておりません」。
近藤さんは警察と銀行へ届け出を行い、同時にフォロワーに向け不安な胸の内を明かしました。
「どうしたらいいのか、、かなしい」「悪質なサイトで購入してしまったのか。嫌な予感しかしない」「支払いしたショッピングサイトのことをいろいろ調べているが、闇が濃くなってきた」
「気持ちがゆるんでいたんでしょうね」
警察と銀行からの回答は「詐欺サイトです」。有名サイトとそっくりのページデザインで信用させ、代金前払いで商品を送らない「ネットショッピング詐欺」と呼ばれる詐欺でした。
近藤さんがだまされたサイトも実在するショッピングサイトをコピーしたサイトだったらしく「とてもよくできたページでした」。購買意欲をかき立てられるような演出もあったそうで「『在庫数あと3つです、あと2つです』のような文句がどんどん出てきました」。
「3、4千円の少額の詐欺がものすごく増えているんですって。コロナ禍で私みたいに、にわかにネットショッピングに参入した比較的デジタルにうとい人たちは詐欺の大変いいターゲットなんですね。今まで何度かネットショッピングを利用し、便利でていねいに対応してくれて素晴らしいなと思っていた矢先。気持ちがゆるんでいたんでしょうね」
今考えると不審な点も多かったそうで「後から思えばおかしいことだらけ。銀行振込の口座名が個人名でした。それまで買い物したお店は社名だったのでおかしいなと。そこはモヤッとしたんです」。
「似たような経験をする人が1人でも減れば」
被害にあわないための教訓は。「とてもアナログですけれども、一番確実かなと思うのは、注文する前に電話で問い合わせてみるのもいいかもしれません」
近藤さんは今回の出来事を振り返り「家族に言ったら恥をかくし、友達に言ったらばかにされるし、なかったことにしよう、忘れたいという人が多いそうです。でも被害は届け出た方がいいと思います。消費者センターの窓口にお電話するのも近道です」とし、「私はどちらかというと誰かに言いたいタイプなので、悔しい!と思って警察に届けました。いろんな人に言って、ツイッターでつぶやき、反応をいただき、注意喚起できました。気が済みました。似たような経験をする人が1人でも減ればと願っています」と注意を呼びかけました。
一般社団法人全国銀行協会のサイトでは、ネットショッピング詐欺の対策として次の3つのポイントを挙げています。
ネットショッピング詐欺 対策のポイント
(1)見た目、日本語、フォントなどが不自然なサイトには要注意
(2)運営情報から、販売会社や連絡先の記載内容を確認する
(3)代金支払いはクレジットカード、代金引換も可能かどうか確認する
(一般社団法人全国銀行協会サイトより)
◆近藤サト(こんどう・さと)1968年岐阜県生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。1991年4月フジテレビ入社。1998年9月同局退社。フリーランスに転身後、テレビ番組のコメンテーターやナレーションなどを中心に活躍。日本大学芸術学部の特任教授も務める。2022年3月朗読バラエティチャンネル「サト読ム。」を開設。