大正時代にタイムトリップ?着物姿で京都散策 大正時代から続く宿坊を改築した老舗旅館が話題

八木 純子 八木 純子

 京都・東本願寺の前にある「京の宿北海館お花坊」は大正時代から続く宿坊を改築した老舗旅館だ。当時のままのしつらえと、京都らしいもてなしで魅了し、人気もリピート率も高い。そんな宿が、この秋打ち出した「はんなり大正浪漫プラン」が古きよき時代の京都を満喫できると話題になっている。早速、取材してみた。

大正時代の面影残し、京都の伝統美を伝える建物

 京都駅から徒歩約7分。東本願寺の目の前に位置する「京の宿北海館お花坊」は、1915(大正4)年に建てられた木造建築だ。創業から百余年。名前からも連想されるようにかつては、北海道からの参拝者のためにつくられた宿坊だったという。

 建物は3階建て。今も当時の面影を残していて玄関をくぐれば、大正時代に迷い込んだような錯覚さえする。2階に続く大階段は絵になる、という表現がぴったり。あの時代の木造建築をそのまま残していて、エレベーターは設置されていないのも味わい深い。

 笑顔で出迎えていただいたのは女将の小西綾子さん。早速、町家のような雰囲気のある趣きのある部屋に案内されると、まさに大正時代の京都がそこにあった。女将によると、ほとんどの宿泊客が「京都に来たら一度でいいから、こんなクラシックなお部屋に泊まってみたかった」と感嘆の声を上げるとのこと。まさしく同感だ。

 さらに「お花坊」の屋号を表すかのように客室だけでなく、館内の至る所に季節の花々が生けられていて、おもてなしの心はこんなところでも感じることができる。

 旅館の浴場も見逃せないポイントだ。貸切制になっていて、ひのきの浴室も大正ロマンを感じさせ、のんびり浸かれば、旅の疲れも一気に吹き飛ぶ。

着付けから小物までお任せ。着物姿で京都散策は楽しい

 そんな老舗旅館が企画した「はんなり大正浪漫プラン」の目玉のひとつは着物体験だ。老舗呉服店プロデュースの貸衣装屋さんとタイアップしていて、ズラリ並んだ着物の中から好みの着物や帯を選べば、あとはアドバイスに沿ってバッグや草履、小物などを選ぶだけ。もちろん、着付けなどもすべてお任せで、何の準備もいらない。希望とあれば、オプションでヘアもアレンジしてくれる。

 そして、プロの手にかかればあっという間に素敵な着物姿に大変身。衣装も気分も大正時代にタイムトリップし、町探訪へ。お花坊の周辺には観光名所が多く、散歩場所には事欠かないのもうれしい。

夜は舌鼓ものの近江牛のすき焼き、朝も人気の和定食

 「はんなり大正浪漫プラン」は夕食と朝食、2食付きだ。夕食は特選近江牛肉すき焼きコース(9900円税込)がプランに含まれている。名高い近江牛のすき焼きに舌鼓。別料金だが、3種の日本酒の飲み比べ(980円)とお肉がよく合う。

 京都らしい朝食も高評価されているそうで、だしまき卵や、手作りの豆腐はやさしい味わいで美味でヘルシー。また、お花坊の朝食に欠かせなくなったのが特製「ちりめん山椒」(「しろ」と「あか」の2種)だ。この春からお宿の玄関先で販売も始めたが、口コミで広がり、売り切れする日もあるとか。かつては良い山椒が入った時のみ、朝食で出していたそうだ。

 「うちの宿の名物をつくろうと料理長が頑張ってくれ、この春から発売も始めました。おかげさまでわざわざ、京都土産にとちりめん山椒を求めて、ここまで来てくださるお客様もいらっしゃって、うれしいですね」と女将さん。

 ご飯のお供にもお酒のおつまみにもぴったりでハマるお客様が続出。ちなみに「あか」は茶漬けやおむすびになどに合い、「しろ」はおつまみにもなる感じだ。あか(50g)、しろ(50g)各1100円(税込)。2種入りなどもある。

 「はんなり大正浪漫プラン」で京都を満喫すれば、京都の旅は昔ながらのお宿で過ごすのも楽しいものだと実感。他にもお花坊ではさまざまなプランを出しているので、こちらも要マークだ。

◇京の宿北海館お花坊

京都市下京区不明門通下珠数屋町上ル卓屋町66-2(東本願寺前)※JR京都駅徒歩7分
電話075-371-3688

www.ohanabo.com

◇「はんなり大正浪漫プラン」

期間2022年10月31日まで。プラン内容:1泊2日、2食付き。※夕食は特選近江牛肉すき焼きコース(9900円税込)、朝食は和定食。伝統着物で京都を散策。
 着付け (チェックイン16時チェックアウト10時 だが、チェックイン日でもチェックアウト日でも午前9時~夜間まで応相談で対応可能。※ヘアセットも希望すれば対応してもらえる)
料金:お1人様2万7千円~(税別)/お土産付き=大正をイメージした柄のかわいい風呂敷バッグ

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