隠れ家すぎると話題、京懐石料理店の朝食をコース仕立てでいただく 京都・錦市場

八木 純子 八木 純子

 「京の台所」とも称される錦市場の一角に先月中旬、懐石料理「錦ゆしん」(京都市中京区)がオープンした。奥まったとここにあり、隠れ家すぎるのが特徴。さらに予約なしで朝食を提供しており、早朝から本格的な京料理がリーズナブルにいただけると好評だ。実は完全紹介制で魚料理と日本酒がウリの創作日本料理店「丸太町やんがす」の姉妹店。オーナーシェフに、思いを聞いた。

京のおいしいものが集まる錦市場で話題の新店

 朝7時。錦市場の中でもこんな時間から開店している店はそれほど多くない。そんな中、錦小路通高倉東入中魚屋町の一角、少し奥まったところに店の灯りが見える。この1月11日にオープンした「錦ゆしん」だ。

 オーナーで料理長の松本豊さんは、この道20年以上。23歳で独立した後は独学でオリジナリティ豊かな日本料理を創り上げ、2019年10月、京都市内に魚料理と地酒がメインの「丸太町やんがす」を出すと、たちまち超人気店となった。

 「錦ゆしん」は、その2店舗目。店名は漢字で書けば、オーナーシェフの名前の「豊」に「進む」で「豊進」になる。松本さんは出店の背景について「錦市場は観光名所ですし、近くにはホテルもたくさんあります。そこで昼、夜だけでなく、京都らしい朝食も楽しめる店を出したいと思いました。昼、夜は完全紹介制ですが、朝ご飯の時間帯だけは紹介がなくても誰でも利用できるようにしたいとも考えました」と話す。

京都らしい朝食で魅了する隠れ家「錦ゆしん」

 「錦ゆしん」は錦市場の通りに面しておらず、しかも、少し奥まったところにあるため、正直見つけづらい。だからこそ、穴場ぽく、すっと入っていけば、常連さんらしさが出せそうだ。

 店はカウンター8席のみ。「錦ゆしん」も「丸太町やんがす」と同様にフレンチやイタリアンの要素も取り入れた創作日本料理が楽しめる。コンセプトは「イノベーティブ×懐石」だ。

 「ご承知のようにイノベーティブとは革新的という意味。かたや懐石は伝統的な日本料理なので一見、矛盾した言葉ですが『新しいことにチャレンジしています』ぐらいの意味で捉えてください」と松本さんは言う。

 昼と夜は完全紹介制。といっても、紹介者がいれば、肩肘はらずに昼も夜も利用できる店なのだが、いちげんさんにおすすめはやはり「朝食」だ。実際に評判を聞きつけ、「錦ゆしん」の朝食を目的にやってくる人が増えている。

 もちろん、「京都の台所」錦市場の好立地をいかし、朝食には錦市場の食材も取り入れているという。「錦市場は野菜から魚介類までなんでも揃います。名物店もいっぱいあって、たとえば、田中鶏卵の卵を使ったりしています」。

 ちなみに、朝食は3500円(税込)で、軽いコース仕立てになっている。日替わりになっており、焼き魚があったり、具だくさんの味噌汁や粕汁がついており、とてもヘルシー。小鉢や京漬物を楽しみにしている人も多い。

 「錦ゆしんで京都らしい朝食をぜひ、楽しんでいただきたい」と松本さん。予約電話はできないが、ネットで予約を受け付けているという。

◇会席・懐石料理店「錦ゆしん」(京都市中京区錦小路通高倉東入中魚屋町503、1階奥店舗)/7:00~最終入店9:00、12:00(一斉スタート)~15:00、17:30~最終入店21:00
https://www.tablecheck.com/shops/nishikiyushin/reserve

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