歴史と伝統の息づく街として知られる京都だが、実はパンの消費量日本一という隠れたレコードを持っている。当然、それを支えるのは美味しいパン屋さんの数々であることは言うまでもない。SIZUYA、進々堂という二大巨頭はもちろん、一世を風靡したディニッシュパン・ボローニャも京都発祥だ。そんなパンの街京都の地元の人にひっそり愛されるのが、知る人ぞ知る工場直売所の数々だ。
まず、最初にご紹介したいのは、パン王国京都の筆頭格、大正時代から続く老舗、進々堂の工場直売所だ。
鴨川西インターのすぐ裏手、京阪伏見稲荷駅から徒歩9分という立地は観光客にも嬉しい。小さい店舗にひっきりなしにお客さんが訪れ、すぐに店前に行列が出来てしまうが、回転が速いためそれほど待つことはない。ここの魅力は、アウトレット品や製造規格外品だというだけあって、とにかく安い。しかも普段使いの食パンが一袋100円、主力商品のウィンザー(1斤)160円、パンドミ(1.5斤)180円と通常店舗の半額以下、人気のバケットも150円、菓子パンに至っては3つで200円とこれまた破格なのだ。もちろん味は折り紙付きでうまい。あまりにひっそりとしている為、私も前は何度も通っているが、直売所の存在を知らなかったぐらいだ。また正式な店舗ではない為、ネット上にも掲載されていない。まさに隠れた知る人ぞ知るスポットだ。
次は、高級ディニッシュパン、アンデの工場直売所。こちらは京都南ICから車で5分、徒歩でのアクセスには少々難があるが(元々工場とはそういうものだが)、足を運ぶ価値は十分ある。直売所自体は高級食パンとは思えない小さなプレハブだが、こちらも市価の約半額とかなりお得だ。日によって店頭に並ぶ商品が異なるのは直売所らしいが、ここだけの限定商品やその日だけ安く売られる商品があるという。私が訪れた日は、様々な種類の訳アリディニッシュパン(ハーフ)が350円。お店の人曰く、「今日はこれが一番お買い得ですかね。通常の約半額です。」とのこと。アンデのいいところは、特殊包装で日持ちがするところだ。私が購入したパンも賞味期限は10日以上あるので、多少買いすぎて賞味期限に追われることはない。ちなみに、こちらでは贈答用などの正規品も併せて売られている。高級ディニィッシュもこの通り、直売所にかかれば、思わず手が伸びる。
最後にもうひとつ、オレンジ色の贈答箱が目印の高級ディニッシュパン、グランマーブルの工場直売所も紹介しておこう。結婚式の引き出物にも使われるこちらのパンだが、こちらはあくまで直売所というより、ファクトリー店という名の通り、通常の店舗が工場に併設されている。陳列商品は基本正規品だが、店の片隅に3割引コーナーが設けられている。数はそれほど多くなく、私が訪れたときもディニッシュとラスクが数点しか残っていなかったのは残念だったが、これまた京都南ICからはそれほど離れていないのでお値打ち商品を狙って寄ってみるのもひとつだ。
原材料の高騰に伴いパンも続々を値上げされていく中、お得な直売所は強い味方。地元京都の人はもちろん、旅行者のついで買いにもお勧めしたい。
▼進々堂工場直売所
京都府京都市伏見区深草西川原町20-1
営業日 月曜から土曜、10時30分~15時30分
▼アンデ・工場直売所
京都府京都市伏見区下鳥羽北ノ口町58
電話 0120-255-535
営業日 月曜~土曜・祝日、10時~13時、13時30分~17時
▼グランマーブル ファクトリー店
京都府京都市南区上鳥羽北島田町93
電話 075-682-1200
定休日なし、10:00~18:00