今春から社会に出た新入社員のみなさんは、働くことに対しどのような意識を持っているのでしょうか。全国の新入社員の男女に調査をしたところ、理想の上司・先輩は、約7割の人が「仕事について丁寧に指導する人」と回答しました。また、約8割の人が「仕事は『量』より『質』で評価してほしい」と考えていることがわかったそうです。
一般社団法人日本能率協会が2022年4月に「2022年度新入社員意識調査」と題して実施した調査です。同協会が提供する新入社員向け公開教育セミナーの参加者545人(男性352人、女性192人、その他1人)から回答を得たといいます。
まず、「理想の上司・先輩」について聞いたところ、「仕事について丁寧に指導する上司・先輩」(71.7%)が最多に。2012年の52.4%から大幅に増加し、過去最高となりました。次いで、「言動が一致している」(36.7%)、「仕事の結果に対するねぎらい・褒める言葉を忘れない上司・先輩」(29.4%)と続きました。
なお、「場合によっては叱ってくれる上司・先輩」(2012年:33.7%→2022年:17.6%)や「仕事の結果に対する情熱を持っている上司・先輩」(2012年:34.1%→2022年:9.5%)は、大幅に減少していたそうです。
また、「仕事をしていく上での不安」については、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」(2019年:59.0%→2022年:64.6%)、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」(2019年:29.9%→2022年:53.4%)などが上位を占めており、いずれも2019年の調査から大幅に上昇していたのに対して「社外に対する人脈作りに対する不安」(2019年:18.0%→2022年:8.1%)は年々減っているといいます。
次に、「仕事をしていく上で抵抗がある業務」を聞いたところ、「上司や先輩からの指示があいまいでも質問しないでとりあえず作業を進める」が「抵抗がある」(40.9%)と「どちらかと言えば抵抗がある」(41.8%)を合わせて82.7%とダントツで最多でした。
また、「意欲や能力を高めるための上司や人事への期待」を聞いたところ、「成長や力量に対する定期的なフィードバック」(61.8%)、「ワークライフバランスをとれる柔軟な働き方ができる環境づくり」(51.0%)といった回答が上位に並びました。
仕事・働き方に対する考えについて2択から選んでもらったところ、「いろいろな業務を経験し、仕事の幅を広げたい」(49.1%)よりも「一つの仕事を長く続けて専門性を磨きたい」(60.9%)と回答した人が多い結果となりました。
同様に、「機会があれば転職・独立したい」(35.4%)よりも「定年まで1つの会社に勤めたい」(64.5%)の方が多い結果に。また、副業については、「やってみたい」(46.8%)と「やりたくない」(53.2%)がほぼ半々となり、さらに、優先度については、「仕事」(17.2%)よりも「プライベート」(82.7%)の方が多いという結果になりました。
また、「働きたい職場」については、「競争よりも、ある年代まで平等に処遇される年功主義の職場」(33.2%)よりも「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場」(66.8%)が多い結果に。
同様に、「個人の裁量に任せられる職場」(21.1%)よりも「チームワークを重視する職場」(78.9%)が多く、「個人的なことにはあまり触れない職場」(22.0%)よりも「仕事以外のことも相談できる職場」(78.0%)が、「働いた仕事の『量』で評価される職場」(17.4%)よりも「働いた仕事の『質』で評価される職場」(82.6%)が支持される結果となっていたそうです。
「自身のキャリアイメージ」については、「描いている」と回答した人は55.2%でした。また、「何年先までキャリアイメージを描いていますか」と聞いたところ、「10年」(35.9%)、「5年」(34.2%)が上位を占める結果になりました。
最後に、「仕事に必要な能力やスキルを身につけることの責任はだれにあると思いますか」と聞いたところ、「会社の責任」と回答した人は14.5%に留まり、85.5%の人が「個人の責任」と回答したそうです。
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調査を実施した同協会は「一人ひとりの個性を育てながら、丁寧に対応していくことが求められる中で、1on1ミーティングなど上司と部下の対話の機会を活用する企業も増えています。また、上司に対しては、今までの育成方法を見直し、ときには上司への育成方法に対する教育機会をつくることも必要ではないでしょうか」と述べています。