「えらい出費」朝マック1200円、ラーメン屋で3500円 歯科医芸人がニューヨークで実感した円安とインフレ

山本 智行 山本 智行

 歯科医芸人の”パンヂー陳”こと陳明裕さんは現在、米国に滞在中です。この時期恒例、ニューヨーク州立大バッファロー校に招かれ、講義中なんだとか。そこで実感したのが円安とインフレ。いわゆる「朝マック」が1200円でピザ店員の時給は2500円とのこと。時給が高いのはいいことなんでしょうが、極度のインフレは考えもの。個人的には緩やかなインフレを望みます。(聞き手・山本 智行)

--恒例のアメリカご気楽旅行はいかがですか?陳さんの渡米に合わせるかのように、円安が一段と進んでますね。やっぱ、日ごろの行い、良くないのでは。

陳明裕(以下陳):よりによって。このタイミングで。マジで、何とかしてほしいです。

--その昔、私がゴルフの全米オープンなどで取材していたころは1ドル、確か80円ぐらい。爆買いしたもんです。しかし、いまのレートはちょっと異常。日本政府や日銀は何をやっているのでしょうか。

陳:ホントですよ。例えば、おなじみの朝マックでいうと、僕の大好きなソーセージエッグマフィンにハッシュポテトとコーヒーのセット。これ、日本だとクーポンを使えば400円でいけるときもありますが、こっちだと8ドル19セントもします。今のレートだと1200円近く。そこに消費税が加わるので、朝からえらい出費ですよ。

--最近、各国のビッグマックの値段でその国の物価を測る「ビッグマック指数」なるものがありますが、アメリカはトップクラスでしたものね。そりゃ、そうと陳さん、ランチはどうしているんですか?マクドナルドがそれなら他の所は、もっとええ値段するでしょう。

陳:はい。大学の向かいに、奥さんが日本人の人がやってる、いつでも“ぬるいラーメン”を出すラーメン屋さんがあって、僕は決まって14ドル99セントのとんこつラーメンに2ドル99セントのライスを付けて食べるんですね。すると、消費税払って、チップを15~20%払ったら軽く24ドルくらい。今のレートで日本円に換算すると3500円近くになっちゃいます。せめて熱々のラーメンが食べたいです。

--値段以前に“ぬるいラーメン”はあきませんよ。っていうか、その年齢でラーメンに、まだ白ご飯付けますか?

陳:僕は“生涯食べ盛り“なんですから、ほっといて下さい。この体型を維持するのも大変なんですから。

--どちらかというと、ダイエットした方が良いと思いますけどね。

陳:それと、インフレだけではなく、人手不足による人件費の高騰も深刻みたいです。こっちに来たらいつも行く、僕が「宇宙一おいしい」と思っているピザ屋さんがあるんですけど、着いた初日に早速行ったら閉店の知らせ。ガックリしました。聞けば、人手不足が原因とのことでした。

--宇宙一はないでしょう…。なんで、また人手不足?

陳:何しろ、こちらニューヨーク州バッファローのピザ屋の店員さんは、時給18ドルくらいで募集されてます。日本円だと2500円以上。ですから客の少ない日に、下手に店を開けるより閉めていた方が良いという判断のようです。同じ理由で、定休日が増えたり、営業時間が変わって早く閉めちゃう店も増えています。

--でも、食いしん坊の陳さんのことやから、もう行ったんでしょ。

陳:はい。大学の近くなので、学生が休みの時は閉めるようにしているようで、翌日は開いていました。ところが、僕の一番のお気に入りで、商品名に店名を冠したマカロニを乗せたピザを注文したんですけど、ありえへんことになってまして…。

--どうしたんですか?

陳:以前はピザ生地が見えないくらいに、ぎっしりマカロニが乗っかっていたんです。それが今はフランシスコ・ザビエルのアタマの様に所々地肌が見えてしまっていて。マカロニの量の減り方にガク然としました。値段は据え置きし、中身を削減。もはや宇宙一ではなくなったかもしれません。これからの“銀河系経済”はどうなっていってしまうんでしょうね。

--視野が広すぎます。そこは普通に、これからの“世界経済”は、でいいでしょう。せっかくニューヨークに滞在しているのなら公共交通機関でのマスクが解除されたみたいですし、社会派ネタをお願いします。

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