キャリアアップには仕事への意欲を高め、ライフスタイルを向上させるメリットがあります。しかし、どのようにすれば実践できるのかわからない方も多いでしょう。このコラムでは、キャリアアップの意味や実現するための方法について詳しく解説します。ご自身の今後のキャリアを見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
キャリアアップとは
キャリアアップとは、現在従事している仕事における専門的なスキルや知識の付加価値を高めることで、役職あるいは報酬が上がることです。キャリアアップには、社内での昇進・昇給だけでなく、転職によって現在よりも高いポジションに就いたり、収入がアップしたりすることも含まれます。
キャリアアップと似た言葉の違い
・スキルアップ:仕事内容の能力を向上させること
・キャリアチェンジ:現行の職場やポジション、職種とは異なる仕事に就くこと
「キャリアアップ」とよく比較される用語に「スキルアップ」や「キャリアチェンジ」があります。これらの用語と「キャリアアップ」の定義が異なる点は、キャリアアップの場合、役職・ポジションが向上する、収入が上がる、仕事の幅が広がるなど、パターンは様々あるものの、いずれも「経歴がランクアップする」意味合いで使われることが多い点です。
キャリアアップするための準備
1.過去をもとに自己分析する
2.現在持っている強みを整理する
3.理想の将来像を具体的に思い描く
4.将来像と現在のギャップを埋める方法を考える
キャリアアップするための準備として、まず将来どうなりたいかを明確化する「キャリアプラン」を設計してみましょう。設計するうえでのポイントは、「過去(経験・価値観)」「現在(能力・強み)」「将来(理想)」と3つに分けて整理をすることです。
1.過去をもとに自己分析する
自分の価値観・興味・関心の傾向を把握するために、過去の経験を整理してみましょう。自己分析は、本当にやりたいこと・興味のあることの本質を捉えることが目的であるため、詳しく言語化しながら書き出すのが効果的です。
2.現在持っている強みを整理する
現在の会社内での立ち位置や期待値など、自分が提供できる価値を整理します。何が得意で、どんな功績を残しているかという自分の強みを端的にまとめてみましょう。
3.理想の将来像を具体的に思い描く
前述で導いた興味や強みから、理想の将来像を思い浮かべます。現状の延長線上にあるポジションや、収入面での理想額からアプローチするのがよいでしょう。あるいは、特定のスキルを身に付けることでキャリアの選択肢が広がるのであれば、そのような技術面から理想の姿を想像するのも具体化を図るうえで効果的です。
4.将来像と現在のギャップを埋める方法を考える
目指す将来像が固まったら、達成に導くためのプロセスを思索します。目指す将来像のために、いつまでに何をするのか、どの時点でどのようなポジションを目指すのか具体的に検討してみましょう。
キャリアアップする手段
・同じ会社で実現する
・転職する
・本業以外の場所で経験を積む
キャリアアップの手段は、現在就業中の会社内で昇格や収入アップにつながるキャリアパスをとる方法と、転職でキャリアアップを叶える方法、本業以外の場所で機会を得る方法の3種類です。それぞれでとるべき手段が異なるため以下では分けて解説します。
同じ会社でキャリアアップする方法
・同じ部署で昇進する
・部署を異動する
・資格を取得する
・同僚・上司に相談する
キャリアプランが現職で実現可能であれば、これまでの経験や人脈を活かして仕事ができる今の職場でキャリアアップを目指すことも可能です。
▽同じ部署で昇進する
現職でキャリアアップするスタンダードな方法は昇進を目指すことです。仕事を効率化したり、資格を取得したりして地道に昇進を狙うのが一般的なプロセスといえます。
▽部署を異動する
キャリアプランで洗い出した自分の強みややりたいことをもとに、社内で部署を異動することで活躍を目指す方法です。
▽資格を取得する
資格取得は現職でのキャリアアップを目指すにあたり、根拠が必要な場合に有効です。現在の業務に関わりが深い資格を取得し、より高いキャリアの適性があることをアピールできます。
▽同僚・上司に相談する
自分の仕事ぶりを把握している同僚や上司に相談しながら、会社内でのキャリアパスを検討します。第三者の視点で意見をもらうと、自己分析では見えていなかったことに気づけることもあるため、キャリアアップのために有効なヒントを得られることでしょう。
転職でキャリアアップする方法
・求人を探して応募する
・転職イベントを利用する
・転職エージェントを利用する
・ハローワークを利用する
・希望する企業に直接連絡する
転職すれば、新しい環境でチャレンジでき、新たなスキルが身につくメリットがあります。転職を機にキャリアアップを目指したい人は、以下の方法がおすすめです。
▽求人を探して応募する
転職サイトや、目指す職種専門の求人サイトを利用してみましょう。転職サイトによっては、保有する求人の傾向や募集件数などにもばらつきがあるため、キャリアアップを目指す業界全体の情報を自分でも収集しておくことで、目標を定めやすくなります。
▽転職イベントを利用する
転職イベントは、1日に複数の企業の人事担当と直接話せます。ダイレクトにコミュニケーションを図ることで、職務経歴で評価される点、企業から期待されることなどを知ることができ、自身の市場価値を推察することができます。人事担当との会話を通じて、企業の雰囲気を知ることで、自身とマッチする社風の企業と出会うことが可能でしょう。
▽転職エージェントを利用する
転職先を絞るのに苦戦している方は、転職エージェントの活用がおすすめです。専門家が相談に対応しているため、転職が成功しやすくなります。また、厳選された求人や質の高い募集に出会うことができ、理想のキャリアアップにつながります。
▽ハローワークを利用する
ハローワークは全国にあるため、地方や都市部など働きたい場所での仕事が見つかりやすくなります。キャリアアップでは、不安な課題などに直面する可能性もあるでしょう。無料相談ができるハローワークなら、指導を受けながらステップバイステップで移行できるため安心感があります。
▽希望する企業に直接連絡する
希望する企業が決定しているなら、HPから直接応募するかSNSを活用してコネクションを構築する方法もあります。直接アプローチをかけるというハードルはつきものですが、最近では企業向けSNSプラットフォームなどで人事募集をかける企業も増えてきています。直接応募の場合は、年収交渉をしやすいというメリットがあります。
本業以外の場所で経験を積む方法
・副業(兼業)
・パラレルキャリア
・ボランティア(プロボノ)
現職でとれる手段が限られているものの、転職まではお考えではない方におすすめなのが、本業とは別に経験を積む方法です。副業・兼業は、厚生労働省でも「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定) を踏まえ、普及促進を図っています。今後のさらなるキャリアアップのために、経験やスキルを得る方法のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
▽副業(兼業)
本業以外に収入を得ることを目的として行う副業も、キャリアアップに有効な場合があります。現職に関連性のある、もしくは自身の好きなこと、得意なこと、発想・アイデアが活かせる案件をクラウドソーシングなどから探してみるのも良いでしょう。
▽パラレルキャリア
パラレルキャリアとは、有償・無償を問わず「本業を持ちながら、第二の活動をすること」を指します。本業以外の環境・領域へと視野を広げて活動する中で、今後のキャリア形成における新しいヒントを得られる可能性もあるでしょう。
▽ボランティア(プロボノ)
完全無償のボランティアであれば、その分間口も広がるため対価を得るための業務では、得難い経験ができることでしょう。また、近年では自身の専門性をより発揮できる新たなボランティアとして「プロボノ」という概念も浸透しています。
キャリアアップで理想の未来を実現しよう
キャリアアップは理想のキャリアを実現するための方法です。まずは、自己分析から始めて将来像を具体化し、理想を現実化する筋道を立てましょう。また、社内で昇進・報酬アップするにしても、転職するにしても、本業以外の活動を始めるにしても、情報収集が重要です。時に上司や転職のプロに頼りながら、キャリアアップに必要な情報を集め、実行可能な方法を見つけましょう。