ガンダムが…ヤマトが…!感涙必至 SFマガジン10月号「スタジオぬえ創立50周年記念特集」全国の書店から注文殺到、発売前に在庫全滅!?編集長に聞いた

山本 明 山本 明

 8月25日発売予定の「SFマガジン10月号」が発売前から予約注文が殺到しています。人気爆発の理由は、日本SFにおいて数々の小説・アニメ作品のメカデザインを担当してきた「スタジオぬえ創立50周年記念特集」号であること。日本中の書店から追加注文が集中し、版元である早川書房(東京都千代田区)では在庫が全滅、発売前から増刷を決定する異例の事態になりました。しかしなお発売日前夜、Amazonをチェックすると何と「現在在庫切れです。この商品の再入荷予定は立っておりません。」との表示が!

 いよいよ緊迫の度合いを増す現在、同誌編集長である溝口力丸(@marumizog)さんのアカウントから8月10日にtwitterに投稿された本号書影が話題を呼んでいます。何と表紙では、スタジオぬえ所属の著名イラストレーター、加藤直之氏の手になる「機動戦士ガンダム」や「宇宙戦艦ヤマト」「ブリュンヒルト(銀河英雄伝説)」、さらには「アルカディア号(キャプテン・ハーロック)」などが夢の競演を果たしているのです!

 「本誌が3刷になるのは創刊から62年で2度目」とのことで、本号企画の立役者である溝口さんは昨年、30歳の若さで老舗SF雑誌「SFマガジン」の編集長に就任したばかり。ちなみに「本誌が初めて発売前に3刷になった」2018年の同誌「百合SF特集」を企画したのも溝口さんです。編集長になる前からその快挙がSNSで広く知られていました。

 こんなにも多くの人の心を掴んでしまう企画を立案し続ける若き編集長に、本号の特集の読みどころをお聞きしました。

昨年冬に「スタジオぬえ」から50周年記念に関わりの深い「SFマガジン」で何かできないかと声かけがあったのが始まり

――「スタジオぬえ創立50周年記念特集」の企画を思いついた経緯を教えてください。

昨年冬に、高千穂遙さんから弊社の担当編集宛にご提案をいただいたのがきっかけです。前身である「クリスタルアートスタジオ」から数えて50周年ということで、関わりの深いSFマガジンで何かできないかと。個人的にもSFビジュアルアートの歴史に興味があったので、1970年代ごろのバックナンバーを調べなおして、あらためてその影響力の大きさを痛感し、この令和の時代に特集する意義が十分以上にあると考えました。実際のところ、その予想すらも遙かに上回る反響でしたが……。

――大変な売れ行きです。

発売前に2度、Amazonで「現在在庫切れです。この商品の再入荷予定は立っておりません。」という表示が出ました。今後もういちど補充される予定です。

――現在、何刷までいっているのですか?

3刷です。より厳密にいえば2刷目は初版増数ですが、発売前に刷り増ししたのは確かなので。雑誌は書籍と比べて長く書店に置くようなものではなく、増刷自体が注文が爆発したときだけとる異例の策でして。

――8月18日に投稿したツイートに「予約出来ました」と喜びの声が届いています。感想はいかがですか?

最近はもはやツイッターもあまり見られていないのですが(通知も切っておりまして)、「数十年ぶりにSFマガジンを買う」という方の声をいくつも見かけて嬉しくなりました。

――ご自身が手がけた企画が、2度目の発売前3刷を成し遂げたことになります。

ゼロから特集を組んだ百合とは別物で、今回は100%スタジオぬえのおかげだと思っています。SFマガジンは今回その巨大な歴史のほんの一欠片を拾い上げたに過ぎず、むしろこれをきっかけにアニメ雑誌や模型誌など、それぞれの分野でスタジオぬえの再紹介がなされれば個人的には嬉しいです。ここまで反響があると、早川書房でも続けて何かやるべき気もしていますが。

「まずは何より、奇跡のような大集合の表紙をじっくりと眺めてほしい」

 最後に、期待値が最高潮に達しつつある現在、読者に本号をどんなふうに楽しんで欲しいかをお聞きすると、以下のような答えが返ってきました。

「まずは何より、奇跡のような大集合の表紙をじっくりと眺めてから、巻頭にある加藤直之さんのイラスト解題を読んでほしいです。すごいので。現在の視点から当時を振り返る座談会やエッセイの後には、年表や、SFマガジンのバックナンバーからそのまま再録したスタジオぬえの記事コーナーもあります。再録は何しろ40~50年前の号なので、インクの擦れや文字の小ささも結構なものなのですが、その年季の入り方も含めて歴史を味わっていただければ幸いです」(溝口さん)。

 「SFマガジン」10月号は明日、8月25日発売です。

◇ ◇

「SFマガジン」10月号 1320 円(税込)
■早川書房ウェブサイト
https://www.hayakawa-online.co.jp/

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース