飲食店などの情報を知る際に便利なグルメサイトですが、みなさんはどのぐらい利用していますか。全国の20~60代の男女1100人に聞いたところ、3割の人が「グルメサイトを信頼していない」と回答し、2年前の調査結果と比べると約1.2倍となったことがわかりました。また、飲食店検索に利用するツールは、8割以上の人が「Google」と回答し、グルメサイトを抜いて1位になったそうです。
株式会社TableCheckが、2022年6月に「グルメサイトに関する意識調査」として実施した調査です。
同調査によると、「グルメサイトの信頼度」については「あくまで情報源の1つ」(52.9%)が最多だったものの、「あまり信頼していない」(24.3%)、「まったく信頼していない」(6.1%)を合わせると、30.4%の人が「信頼していない」と回答し、2020年調査時の26.1%から約1.2倍に増えていることがわかりました。
また、「飲食店検索に利用するツール」については、86.1%の人が「Google」と回答し、2位の「グルメサイト」(61.3%)を抜いて初めて1位に。Googleは、コロナ禍で検索や予約など飲食店に関連する機能を充実させた結果、ユーザーが一気にシフトしたといいます。
「飲食店の検索・予約に利用するツール」を年代別で見ると、飲食店を検索する際、「グルメサイト」は20代(30.0%)、30代(35.7%)、40代(42.5%)、50代(40.4%)と全年代において利用率は高いものの、「Google」では20代(34.0%)、30代(41.8%)、40代(41.6%)、50代(42.2%)と40代以外の世代ではグルメサイトを上回る結果に。また、SNSでの飲食検索は20代が22.0%と突出しており、先行して普及している様子が読み取れたといいます。
一方、予約ツールとしての利用率は、「Google」「SNS」とも5%以下と、極めて低い利用率に留まっており、予約は依然として「グルメサイト」「電話予約」が20%以上と根強いことが窺えたそうです。
調査結果について同社は「GoogleやInstagramはコロナ禍で飲食店の予約機能を充実させたが、飲食店側の導入設定が進んでいないなど、検索から予約までの動線に課題があると考えられる。裏を返せば、圧倒的なユーザー数を集めるGoogleを予約ツールとしてしっかり活用すれば、Googleから高い集客効果を期待できるのではないだろうか」と説明しています。
続いて、「グルメサイトの利用頻度」を聞いたところ、「変わらない」(56.6%)が最多だったものの、「減った」(17.7%)、「利用・閲覧しなくなった」(8.8%)を合わせて26.5%の人が「減った・利用しなくなった」と回答。2020年の19.0%、2021年の42.8%に続き、利用頻度が減った層が増えた層を上回る結果となりました。なお、その理由としては、「自分好みのお店が見つからない」(28.8%)、「信頼できる情報ではない」(21.2%)といった回答が上位に並んだそうです。
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なお、同社は全国の20~50代の飲食店勤務の男女550人に対しても調査を実施しています。
2022年6月の「食べログを運営するカカクコム側が敗訴となった判決に対して妥当だと思いますか」と聞いたところ、58.0%の人が「判決は妥当」と回答。また、「グルメサイトにおけるユーザーの飲食店評価」については、30.5%の人が「信用していない」と回答しており、グルメサイトへの不満が膨らんでいる現状が窺えたそうです。
次に、「現在、有料契約しているグルメサイト」を聞いたところ、「食べログ」(23.8%)、「ホットペッパー」(22.6%)、「ぐるなび」(19.9%)といった回答が上位に並ぶ一方で、「利用していない」と回答した人が58.0%に上りました。また、「グルメサイトを利用していない理由」としては「月額の掲載料が高い」(39.0%)、「掲載情報が信用できない」(24.6%)、「送客手数料が高い」(18.2%)といった回答が上位にランクイン。コロナ禍で飲食店側のコスト意識はさらに厳しくなった結果、グルメサイトに支払うコストを「高い」と考える層(57.2%)が、2年前の1.5倍に増加したといいます。
続いて、「グルメサイトに有料契約している理由」を聞いたところ、「予約受付」(66.7%)、「認知度向上による新規顧客の獲得」(60.2%)という結果に。また、「グルメサイト以外で利用している予約受付ツール」では「電話」(47.4%)が最多だったものの、「公式ウェブサイト」が24.8%、「Instagram」が21.4%と、2年前の調査結果(公式ウェブサイト:11.6%・Instagram:9.2%)と比較して、2倍以上の伸びを示していたといい、グルメサイト以外に有効な選択肢が増え、普及しはじめている様子が窺えたそうです。
次に、「集客マーケティングのために今最も積極的に取り組んでいるツール」を聞いたところ、「食べログ」(19.0%)が最多だったものの、2位の「Instagram」(18.2%)は、食べログ以外のグルメサイトを大幅に上回っていたそうです。
また、「集客において効果を感じているツール」についても、「食べログ」(26.3%)に次いで「Instagram」(22.6%)が2位という結果になった一方で、「Google」は積極的に活用しているツールでは6.1%、集客において効果を感じているツール8.4%に留まり、Google利用が急速に広まっていたユーザーとは対照的な結果となったといいます。
最後に、「グルメサイトに対する意見」を聞いたところ、否定的な意見が90%を占めていたそうです。具体的には「一方的なコメント等は削除できないのは辛い」「評価制度は止めてほしい」などが挙げられたといいます。
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調査を行なった同社は「グルメサイトの凋落の理由として、その広告メディアとしてのビジネスモデルに限界がきているということが言えるのではないだろうか。よりパーソナライズされた情報を簡単に当たり前に得られるようになった今、高い契約料順に表示される飲食店検索サービスからは、ユーザーも飲食店も離れてしまうのは当然の流れといえるだろう」と述べています。
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【出典】
▽テーブルチェック調べ