君はタローマンを知っているかい?
シュールレアリスム星から飛来し「芸術は、爆発だ!」と決め技を放つ“芸術の巨人”である。かの岡本太郎作品から生まれたタローマンと数々の“奇獣”たち。彼らのシュールで、でたらめな対決を描いた1970年代の特撮テレビドラマ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」がはじめて放送されたのは、1970年代(というテイ)であった。
そして今年。発掘された当時のフィルムが修復され、約50年の時を経て復活したタローマン(というテイ)。先月NHK「Eテレ」で全10話の特撮ドラマが放送されると、懐かしさも相まって、当時タローマンに夢中になっていた大人から現代の子どもまでも虜にし、SNSは狂乱状態に。新たな伝説を令和の世に打ち立てた。
あれからひと月。NHKプラスの配信も終了し、すっかりタローマンロスに陥っていた筆者の目に飛び込んできた大阪中之島美術館での「タローマンまつり」開催決定の知らせ。期間は8月20日(土)、21日(日)の2日間だけだという。
一体、どんな“まつり”が執り行われるのか。特撮ドラマの監督を務める藤井亮さんとNHK大阪放送局の伊藤有人さんに聞いた。
奇祭のにおいが漂う「タローマンまつり」
--急遽、開催が決まったのかなという印象を受けたのですが、どんな背景があったのでしょうか?
「もともと、展覧会とテレビ放送に連動したイベントを考えていたのですが、反響が予想以上に大きかったため、タローマンファンの方々により楽しんでいただける内容に調整しました」
--タローマンの衣装や奇獣の着ぐるみ、貴重なグッズが展示されるということですが、実際に撮影で使用されたものですか?
「そうです。衣装や着ぐるみは、撮影後大切に保管していたものをご覧いただけます。また、タローマンマニアの山口一郎さん(※ロックバンド・サカナクションのボーカル)からお借りした当時のグッズも、とても貴重な1点ものです。テレビ放送では紹介できなかった、秘蔵コレクションも公開します」
--各回の終わりに放送された山口さんのマニアックなトークも大きな話題を呼びましたよね。「タローマンまつり」でも、あの混沌とした世界が展開されるのでしょうか?
「会場内のモニターで山口さんの未公開インタビューを放映します。『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』も上映しますので、より大きなスケールで体感していただけるはずです。山口さんの未公開映像とあわせてご覧いただき、展覧会をより楽しんでいただければと思います」
--楽しみすぎて、タローマンのように、でたらめに踊りだしてしまいそうです。こんな盛りだくさんのイベントが2日間だけなのは、少しもったいない気もしますが…。なにか理由があるのですか?
「幻のイベントになったとしても、タローマンをここまで好きになってくれたファンの方々にしっかり届けたいと思い、全力投球できるこの日数に決めました。この2日間、一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみます」
激レアステッカーの配布も
たった2日間に全力をかけるという岡本太郎の精神があらわれたような「タローマンまつり」。なんとなく見えてきた全貌からは、訪れる人の脳をでたらめに揺さぶり、価値観をぶっこわす奇祭となることが伺える。
なお、アンケートに回答した来場者は、会場限定のメンコシールがもらえる。今後の大阪会場での配布は予定されていない、数量限定の超レア品である。日本でふたたびメンコ遊びが流行る、そんな光景を「ミライヲミタイカ?」と襲ってくる奇獣「未来を見た」に見せられた気がした。
うっ?何が言いたいかって。見れば分かっていただけるはずです。
なお、「展覧会 岡本太郎」は大阪中之島美術館で10月2日まで大好評、開催中。
イベントには行けない!という方も、憂うことなかれ。現在、NHKプラスでの配信が復活している。(※事前の利用登録が必要)YouTube版ではカットされている山口一郎さんのトークパートも観ることができる。配信は8/31(水) 午前0時頃まで。「随時、再放送があるかも」とのことなので、今後の放送予定はNHKのサイトをチェック。(https://www.nhk.jp/p/taroman/ts/M7359Q6PQY/schedule/)
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「タローマンまつり」
場所:大阪中之島美術館 1Fホール
期間:2022/8/20(土)・21(日) 10:00~18:00
料金:無料
主催:NHK大阪放送局
▼「タローマンまつり」イベントサイト
https://www.nhk.jp/p/taroman/ts/M7359Q6PQY/blog/bl/pNdv7B2a61/bp/pWJjkGK4eW/