子育て層にとってのイオンモールの居心地の良さがSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは児童精神科医の黒川駿哉さん(@shunya5)の「イオンモールって個性的なお店もないし、僕からしたらつまらない場所だった」で始まる投稿。「そこに小さな子連れファミリーがなんで毎週末あんなに沢山集まるんだろう、って思ってた。」と展開される。
たしかに小さな子供をベビーカーに乗せて長時間買い物ができる環境を街中に求めるのは困難。トイレなどの設備が整い、空調がきいていて、安全かつ人目をあまり気にしなくていい空間は、現状ではイオンモールなどの大型ショッピングモールのほか存在しないのだ。黒川さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「そして、子連れが集まる場所なので、癇癪起こしても大目に見てもらいやすいということですますます足が向くのです。今日も床をゴロゴロしましたが、冷たい視線だけで誰からも怒られませんでした。」
「私も子供を産むまでは『イオンなんてダサい(ごめんなさい)都心の店の方が良いに決まってる!』みたいなところがありました しかし、子供産んでから、『なんて便利なお店なんだ!ご飯も食べられるし、買い物も色々できるし、授乳室もあるし、ミルクのお湯もある!』と、ころっと意見が変わりました」
「あと、プリキュアだのライダーだのの衣類も、なんであんなの買い与えるだろセンスない親だ、とか思ってたら、親の趣味で買った服はイヤイヤ言われて、キャラクター入りだと喜んで着てくれたりで、なるほどそういうことかと合点がいったりします。」
「これ、車椅子ユーザーの息子がいる私にもかなり納得です。車椅子トイレの多さ、フードコートにある車椅子専用のテーブル。段差も少なくて、車椅子専用の駐車場も多い。だからお友達とばったり、ってことも。みんなに優しい場所ってありがたいです。」
など数々の共感の声が寄せられている。
黒川さんは今回の投稿に続き、
「僕は子どもは『社会の宝』だと思ってるし気にしないけど、自分の子どもに目を向けているだけで精一杯なのに、文句言ってくるようなごく一部の大人の顔した赤子の世話までしてられない。だから、子どもが大声で泣いても誰も振り向かない安心感って大きい。こうやって自然と分断が進んでるんだろなぁ。」
「東京ではベビーカーが舌打ちされてるのが日常でつらかった。一方で、親が『子どもは周りに迷惑をかけながら育つものだ』と思ってる姿を背中で見せるというのも、一つの役割なんじゃないかと最近思う。わざわざケンカはしたくないけど、いつか『子どもがまだ食ってる途中でしょうがぁ!』って言うぞー!」
とも発言している。掛け声だけで遅々として進まない行政の子育て支援や少子化対策。イオンモールばかりが安住の場という異常な事態を脱するため、民間に子供や子育てに温かい空気が醸成されるよう願いたい。
黒川駿哉さん関連情報
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